不動産売却のチェックポイント2 抵当権等の不動産に設定された権利

不動産知識・テクニック

不動産売却のチェックポイント2 抵当権等の不動産に設定された権利 ​

前回、不動産売却のチェックポイント第一回として、権利証・登記識別情報通知について記載しました。

<前回の記事>不動産売却のチェックポイント1 権利証・登記識別情報通知

今回は抵当権といった不動産に設定された権利等についてです。

微細な権利のために売却不能になりうる!?

乙区 抵当権

不動産に設定された権利の中で最も多いのは住宅ローンを借りる際に自宅に設定された抵当権でしょう。

借金の方に自宅を抵当に取られている状態です。

抵当権の有無は登記簿を取って乙区欄を確認するとわかります。
登記簿の乙区
抵当権や質権等が設定されている場合、その設定のもととなった借入を、事前に・・・、もしくは、売買と同時に・・・・・、完済して抵当権の登記を抹消しないといけません。

ちゃんと完済できる見込みがあるかと、銀行等の抵当権者に”繰り上げ完済”の手続き方法を確認しておきます。

根抵当権で複数の不動産を担保にしている場合、全額完済しなくても、いくら内入れすれば該当の不動産の担保を外してくれるか確認します。

昔の名前で登記されています

また、銀行はドラスティックな統廃合を繰り返していて登記簿に記載されている銀行がどこに引き継がれているかわからない場合もあります。

「振興相互銀行」って言われても、

「???」

となりますが、

基本的にググればわかります。
(ちなみに仙台銀行)

完済後の抹消手続き

また、すでに借入金は完済していても抵当権が登記されていることがあります。

抵当権が法的、事実上消滅しても、登記は自動的に消滅せず、登記の抹消手続きは銀行ではなく、抵当権設定者(お金を借りた人=不動産所有者)がしなければなりません。

売却にあたっては抵当権の登記抹消手続きが不可欠となりますが、

完済したのが昔過ぎて銀行の方で確認や書類手続きに時間が掛かったりしますし、潰れたサラ金とか個人からお金を借りたとかだと手続き自体困難だったりしますので注意です。

甲区 差押え・仮差押

借金ではなくとも、税金の滞納で差押えや、個人間のいざこざで仮差押の登記を甲区にされると、それらを解除しないと売却できません。
差押登記
今日が買い手への引渡し&代金受領というときに事前確認で登記を確認すると差押え登記が入っていたとなると売却不能&違約金となりますので、滞納など身に覚えのある人は相手型とよくよく話を付ける必要があります。

また、登記されていなくても、個人間で不動産に何らかの権利設定をしていて、それを根拠に差押えしてきたり、買い手に引き渡した後、買い手に権利を要求してきたりすると非常にヘビーな問題となります。

いくらプロの不動産業者が調査すると言っても未登記の権利はわからないことが多いです。

仮にそれが親の代に起因することだったり、本人がそれを知らないことに落ち度がなかったとしても、起きてしまったら、最終的な責任は自分が負わなければならないのです。

それ以外の権利設定

他には地役権や地上権、永小作権とか権利の種類は沢山あります。

中でもよくあるのは地役権です。

敷地の上空に高圧電線があるとか、敷地の一部を公共下水道用地として使っているというのは非常にメジャーな地役権です。

このような公共的な用途は基本的に登記されているので、気付かないってことはありませんが、これらを売却にあたって解除しなければならないということはなく、というか解除することは実際的に不可能なので、その権利があるまま売却することになります。

これらの権利は手続き上の問題ではなく、土地所有者が制限を受ける分の不動産の商品性(=売却価格)に関わる問題です。

どれほど商品性に影響するかは一概に言えませんが、

例えば、高圧線なら、事実上は何の建築制限がない場合(建物と電線は何メートル以上離すと記載されていても、そもそもそんな高い建物を立てられないエリア)、高圧線による健康被害(科学的な根拠はありません)とか、圧迫感があるとか言われて気持ち値引きする程度ですが、

建物が建築不可とされている場合は、その土地は駐車場用地とか家庭菜園用地といった使い途しかなくなり、大きな値引きが必要だったり、そもそも商品にならないこともあります。

細かい権利ばかり気にし過ぎても本末転倒、でも落し穴にもなりうるので注意

こういった不動産に設定された権利については、事前に登記を訂正しなくても不動産の販売活動をしたり、買い手との契約手続きをすることはできますが、地役権等を除いてはそのままで不動産を買い手に引き渡すことはできません。

販売開始後にやっぱり訂正ができないことが判明すると不動産会社に迷惑が掛かりますし、もし契約手続き後に判明すると売却不能&違約金になります。

事前に訂正まではしなくても、確実にできる見通しを立てておくことは必要です。

 
また、細かいことですが

登記簿には所有者の名前と住所が記載されていますが、登記したときのものなので、今は、住所や苗字が変わっていたり、引越していなくても行政側で町名を変えていたりすることがあります。

そういった変動についても住所の履歴付きの住民票といった公的証明書を付けて法務局に変更手続きが必要です。

何度も住所が変わっていたり、様々な市町村を跨いでいると書類の取り寄せが結構大変ですし、行政都合の町名変更以外は登録免許税が掛かり、司法書士に依頼すると手間賃も上乗せされます。(それでも合計で数万円程度ですが)

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shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

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