フリーランス等は自分自身への投資を何よりも優先すべき
前回記載しましたが、生産性向上に投資しない企業はいずれ劣化していき、気付いた時にはすでに周回遅れで全く存在価値がなくなっていたりします。
前回の記事:企業が劣化する瞬間
そうならないよう生産性向上の投資をするのですが、当然、個々の企業によって課題が違うので取り組みは千差万別ではありますが、大企業と中小零細で比較すると、やはり組織がシンプルで小回りが効く中小零細の方が有利です。
中でもフリーランスとか一人ぼっちで会社やっている人が最も実行しやすいはずです。
というか、フリーランス&ぼっち法人が生き残るためにはそこを一つの武器としなければなりません。
とはいえ、具体的にどんな取り組みをすべきでしょうか。
フリーランス等は大会社を参考にしてはダメ
フリーランス等は生産性向上の投資をしやすいと言ってももちろん何でもかんでもできる訳ではありません。
世の中には法人向けのサービスが溢れており、TVCMまで流しているものもあります。
例えば、「社長!それ、システムを連携すればいいんじゃないですか」という経営管理システムとか、「社長!仕事の見える化しませんか」というテレワークシステムとかです。
また、法人に経営戦略を立案するコンサル会社は近年ではエリート学生の希望就職先で上位を占めています。
例えば、マッキンゼーにボストンコンサルティング、野村総合研究所みたいな会社です。
言うまでもなくこれらはフリーランス等には無縁な存在です。
大手コンサル会社の料金体系なんて調べたことないですが価格目線が桁違いでしょうし、大手コンサルほどではなくても多くの法人向けの業務支援サービスはフリーランス等には導入できるものではありません。
自転車で日本一周の旅をしようとする人にスペースシャトル用船外活動ユニットを渡すレベルの的外れさです。
また、フリーランス等の人でいつかは従業員を雇ってと口癖のように言っている人がいますが、
そもそも自宅兼事務所なら従業員を雇うのは現実的に無理です。新たに事務所を借りてその上で従業員を雇うとなると、固定費がガツンと上がります。下手するとこれまでの2倍以上とかです。
また、そんな小さな会社に就職したいと思う人は稀ですし、いたとしたら就職活動カースト最下層と思って間違いありません。
奇跡的にまともな人だとしても最初は教育しないとならないので自分の仕事が増えます。
散々教育して人件費を払っても売り上げが増えるかは不確かで、その前に辞めたり、社内外でトラブルを起こすリスクもあります。
自宅兼事務所のフリーランス等にとってはよっぽど高い売上&利益率を誇らないと自宅&一人ぼっち脱出はできません。
そもそも会社を大きくしたいとかいずれはマネジメントに専念したい人は自宅&一人ぼっちで始めてはいけないのです。
つまり、フリーランス等は高品位な業務支援サービスに頼ることなく、あくまでも一人ぼっちで生産性向上に取り組んでいかなくてはなりません。
なので大企業が行うような生産性向上とは全く手段が異なります。フリーランス等はそれが大前提です。
個人的に思うフリーランス等はここに投資すべき
その上で何するかですが、先に述べたように千差万別です。
ただ、一人でやっているのなら全事業者に共通する最重要生産性向上ポイントがあります。
それは、自分自身です。
自分のフィジカルとメンタルへの投資です。
というと、「重労働・長時間労働に負けない鋼の肉体、どんな逆境にも挫けない鉄のメンタル」と思うかもしれませんが、
それが実現できるのならそれに越したことはありませんが、そういったハイレベルなフィジカル&メンタルを常にキープし続けなければならないというのは現実的ではありません。
むしろ、何十年も事業をし続ける前提であれば、ハイレベルを維持するよりも、一定レベルより下に落ち込まないことを目標にする方が無難です。
そのためには無理をしないことを心掛けなければなりません。
仕事も終わってないしまだ気力があるから残業しよう → まだできるくらいで仕事を切り上げる
繁忙期は休日返上で対応 → 忙しい時こそしっかり休む
そして、最も避けなければならないのは病気や怪我で穴を開けることです。
ストレス解消法は暴飲暴食 → そもそもストレスを受けないライフスタイルに
時間に遅れそうなので黄色信号でも突っ込む → 少しでも体調が悪い時は車の運転を控える
また、せっかく人生を賭けてこの仕事を選んだのにその仕事が嫌になったら最悪です。
今は仕事を選んでられない → 気が進まない仕事は顧客と自分にとってマイナス
仕事は売り上げになってなんぼ → 仕事は楽しんでなんぼ
要は心と体に負荷をかけないように自分に優しくするのですが、やろうとすると意外に難しいはずです。
認知の矯正、無意識レベルの思考変容を行う必要があるからです。
生まれてこの方ストイックに自分の限界に迫ることが正しいという価値観を植え付けられてきて、そのムチ耐える見返りにアメを与えられてきました。アメは美酒美食、ブランド品や高級車といったドーパミン誘導体であることが多いです。
しかし、そのようなアメを長年与えられ続けると生活習慣を乱したり、虚栄心を強めたりと人間にとって害になり、特に一人で永続的に事業を行おうとしている人にとっては事業の根本を揺るがしかねないリスクです。
仕事で自分をすり減らした上に肉体的精神的に自分を追い詰めたいですか?
そもそも独立したのは儲かりたいとか偉くなりたいとかじゃなく自分らしく生きたかったからじゃないんですか?
一人でやっている人は心身健やかにずっと仕事ができること自体をアメにすべきなのです。
そのアメを享受し続けるためにはライフ&ワークスタイルを見直し、病気、怪我、精神疾患のリスクを高める美酒美食といった一般的なアメから距離を置かなければなりません。
私の生産性向上への投資
ちなみに私はつい先日まで週7で晩酌していましたが週3に減らしました。
すでに自分の意思だけで減酒できるレベルではなかったので病院でお酒を飲むと気持ち悪くなる薬をもらい半ば強制的に減酒しています。
別に健康診断で引っかかったとか、お酒でトラブルを起こしたのでもなく、週7とはいえ量もアルコール中毒者からするとかわいいものでしたが、
お酒を飲まなかった翌日は気分爽快ですし、何と言っても、このまま飲み続けるとやばいんじゃないかという不安から開放されました。
それと最近のマイブームはウォーキングです。
早起きするのではなく平日の日中に行っています。ウォーキング日和の日は仕事を午前中に片付けて午後はウォーキングみたいな感じです。
運動を過度に行うとかえって体を痛めますがウォーキングならその心配はありませんし、歩くことでマインドがマイルドにフローティングします。
歩くスピードで街並みを見るのは不動産屋にとっては発見があったりしますし、もちろんスマホを持って出るので電話もメールもでき仕事に差し支えません。
心と体を健やかにして仕事を楽しもうとすると「もっとこうなれば快適&楽しい!」と生産性向上のアイデアが自然と湧いてきますし、それを考える時間自体が喜びです。
最適な投資ポイントは人によるので各々模索すべき
生産性向上の投資というより、私の近況になってしまいましたが、
自分のフィジカル&メンタルを整えるためにできる限りの時間と労力とお金を費やして、その上で各々千差万別の個別具体的業務改善を行うべし、フィジカル&メンタルへの投資は特にフリーランス等にとっては効果絶大!ということです。
ただし、フリーランス等といっても、私のようなタイプのフリーランス等ということでしょう。
知り合いに同じように一人でやっている人がいますが私と全然違います。逆境をバネにするタイプで、追い込まれた状況で必死にもがくことで能力を身につけていっています。
その人にとって私のやり方はうまくいかないでしょうし、私もその人のやり方ではうまくいきません。
要は自分のタイプを見極めてそれにあったやり方でなければ効果は望めないのです。
でも、フリーランス等であれば自分のやり方を自由に選ぶことができますが、サラリーマンだとそういう訳にはいきません。
私のようなタイプならサラリーマンは厳しいんじゃないでしょうか。
上司の役職に就いている人のほとんどはノルマがムチで昇格昇給がアメだと思っていますから。
自分の考え方や上司の価値観を変えようと消耗するくらいならさっさと自分で事業することに切り替えることをおすすめします。
shiro-shita
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