すでに事実上凍結されている不動産投資への融資ですが、金融行政方針に明記されたことにより、金融機関は凍結どころか撤退するかもしれません
ついに金融庁が本格的に不動産融資を取り締まる
金融庁は金融行政方針にて金融機関への検査、監督を強化し投資用不動産への過剰融資を抑制することを発表しました。
金融庁もしくは専門チームが金融機関の調査を行い、各融資案件の返済能力や価格の妥当性を検証するような話になっています。
スルガ銀行の不正融資問題に端を発している訳ですが、スルガ銀行のように書類改ざんはしていくても、どの金融機関も特に地方銀行は投資用不動産に競って融資していたので、「検査される」=「過剰融資確定」ということでしょう。
ついでに、融資の抱き合わせで本来必要のない定期預金や保険を販売していなかったかもチェックするとのことで、金融庁としては、金融機関のやっていることすべてお見通しの上でお灸をすえる感じでしょう。
これから不動産投資を始めるのはムリ!?
こういう状況なので投資用不動産への融資スタンスはすごく厳しい昨今です。
よっぽどの融資案件じゃないと銀行は審査すらしてくれないでしょう。
よっぽどというのはこれまでの付き合い上、大切にしたいお得意様ということになりますが、
一見さんだと、属性(収入・資産)が並外れて高い人しか対象とならないでしょうが、それでもフルローンは出さないでしょう。
仮に7割がローンで出るとしたら、頭金に物件代金の残り3割と諸費用として物件代金の1割程度が掛かるので、5000万円の投資用不動産を購入するのに2000万円は現金を入れなければならなくなります。これだと何とか1棟目は買えたとしても2棟、3棟と増やしていくの難しいです。
サラリーマン投資家という言葉は過去のものとなるでしょう。
地銀はついにビジネスモデルを改める!?
そして、投資用不動産への消極的な融資スタンスは一過性なものではなさそうに思えます。
金融庁は数年前から地銀の融資が不動産に偏っていることに警鐘を鳴らしていました。
しかし、地銀としてはだってしょうがないじゃん、他に融資先ないんだしみたいな感じでそこまで真に受けていませんでしたが、
今回のことで地銀はこれまでのビジネスモデルを改め、地域の将来を見据え新しい産業・企業を育成する真のバンカーになるという理想に向かって進んでいかざるを得ないのではないでしょうか。
投資用不動産ビジネスもそれにより終焉か? 案外、この間隙を縫って、クラウドファンディングとかフィンテック企業が不動産融資に参入してくるような気もします。
shiro-shita
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