不動産の現場販売は終わるのか!?①

業界動向

不動産の現場販売は終わるのか!?①

不動産の現場販売営業に起きている変化とは!?

近年、社会は凄まじいスピードで変化していて、今度はこれが流行るよ〜ってものが、ブームになり、二番煎じ含めて市場が飽和し、飽きられ時代遅れになるまで、下手すると数年です。

世の中に不変なものはなく(特にビジネス領域では)、爆発的に流行るものほど終わりも早いという傾向があります。また、ブームが去った後は元の状態に戻るわけではなく、そのブームに駆逐された従来のサービスはブームが終わる頃には完全終了しています。

 
そんな中、不動産業界は他の業界から少し遅れを取っている感があり、不動産業界絡みのニュースは、他業界の企業が不動産サービスはじるとか、他業界の企業と業務提携するといったものが多く、不動産会社が他業界に参入し革新的なサービスをはじめるという話はほとんど聞きません。

パイが他業界に喰われている中、守勢に立たされ後ろ向きな変化を余儀なくされています。

その後ろ向きな変化の最大の標的は「現地で不動産の販売をしている人」でしょう。

不動産の現場販売とは?

一口に不動産業界と言っても様々な職種がありますが、一般の方の不動産業界で働く人のイメージとしては、

「マンションモデルルーム・住宅展示場・建売住宅等で販売している人」でしょう。

業界に占める職種の人口比としても最も多いのではないでしょうか。

 
営業偏重の不動産業界では彼らのように顧客の最前線にいる人は一目を置かれた存在です。

それは、直接的に売上を作っているのは彼らであるという敬意と、ただただ営業行為を延々と繰り返すというみんなが嫌がる仕事をしてくれていることへの申し訳なさからです。

 
専門知識や経験の必要なマンション・建売用地の仕入れや、開発案件の企画といった職種の人は彼らを下に見て「売り子」と呼んでいたりしますが、

現場販売者としては、学歴も職歴もほとんど不問で、仕事も単純、結果を出せば高収入の業務をコスパがいいと捉えている部分があり、現場販売者特有の業務ルーチンに一旦ハマるとそこから抜け出すことは稀です。

転職は重ねますが、転職先でも同じような現場販売を続けます。

現場販売者の業務ルーチン

現場販売者特有の業務ルーチンとはどういったものでしょうか。

現場販売者の一週間は木曜日から始まります。

木曜日・・・チラシポスティング、現場設営
金曜日・・・チラシポスティング、現場設営
土曜日・・・現場スタンバイ
日曜日・・・現場スタンバイ
月曜日・・・営業会議、チラシ作成
火曜日・・・休み
水曜日・・・休み

もちろん会社によって、担当者によって違いはありますが、こんな感じです。

 
ただ、上記はすべて作業であり、彼らの真の仕事はその合間に行う接客、追客によって契約を出すことです。

より具体的に言うと来場者対応、顧客名簿取得、再来場テレアポ、クロージングが真の仕事です。

 
真の仕事の時間は当然ながら担当者によって異なり、ほぼ毎日という爆発的営業マンもいますが、ゼロもいて、平均すると1週間で半日くらいではないでしょうか。

逆に言うと週に数時間が真の仕事で、残りは作業です。

作業は基本、誰がやっても同じです。なのでバイトにやらしたり、外注してもいいのですが、実際に爆発的営業マンは自分ではやらなかったりしますが、ほとんどの現場販売者は自分でやります。

 
他にやることがないからです。

上司が帰らないと帰りにくい社内環境も手伝って、現場販売者は適当に時間を調整しながらタラタラと業務ルーチンをこなし、いざという時(接客)に備えます。

 
それがいずれパーソナリティをも形成します。

普段は遊び人、細かいことは気にしない、それでも一度事件が起こると大活躍という「遠山の金さん」的なパーソナリティです。

 
というか、退職せず残るのはそういったパーソナリティをもともと持っている人なのかもしれません。

 
実は私も一時期は現場販売をしていましたが、一旦タラタラモードに入ると、急な来場時にモード切り替えができず顧客を逃したり、タラタラルーチンに自己重要感が満たされず鬱屈とした日々を送りました。

対して、当時の同僚は「毎日ちょっとだけ仕事して後は遊んでられるこの仕事サイコーっすよ!」と言っていました。

その時は自分の不器用さを呪いましたが、

今思えば彼は類稀に天職だったのであり、私を含め大半の人にとっては馴染める訳もない仕事なのです。

 
思い返せば様々な人がいました。

昔は教材や布団の訪問販売経験者が多く、工業高校を出て地元のスタンドで働いていたがスーツを着る仕事をしてみたくなったとか、プータローしてたがツレが妊娠したので働かなくてはいけなくなったとか…。

 
そんな半端者の受け皿でもあった現場販売職ですが、社会の変化の中で存在意義が失われつつあり、大きな曲がり角を迎えています。
(次回に続く)

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shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

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