規制継続を望む業界団体と開放を望む社会 ロビイングまでして公正な競争と健全な発展を阻害しているのはどちらでしょうか
こんな報道がありました。
地銀の不動産仲介業務解禁に断固反対/全宅連
https://www.re-port.net/article/news/0000057116/
業界団体の”反対”は伝統的リアクション
地銀が例のスルガの問題もあって新たなビジネスモデルを模索している中、全国地方銀行協会が内閣府に業務範囲規制の見直しを要望していることへの不動産業界団体の反応は、
「断固反対」
やはり、そうですよね。
確かに業界団体がそうやって口の中酸っぱくしてギャーギャー言うことで、不動産業界全体の利益が確保され、私もそのおこぼれに預かることができているので、ありがたやーなのかもしれませんが、
業界人だということから離れてこの景色を見てみると、
「正直、日本的すぎてダセえ」
と思えてしまいます。
業界団体は既得権を守るために“反対”の結論ありきで、
「不適切な融資等による銀行経営健全性の崩壊」とか「地域の雇用創出や空き家問題が滞る恐れ」とか取ってつけたように言っている訳です。そんな都合のいいロジックをよく言えたものです。
しかも、銀行が不動産仲介業務をするというのは、これまでも銀行のグループ会社がやっていました。信託銀行とか〇〇不動産販売とかです。七十七銀行であれば宮城商事という会社があります。今さら驚くことではありません。
そして、何よりお上に規制させることで産業を守ろうとしていることがナンセンスです。
UBERに反対するタクシー業界、民泊に反対する旅館業界
業界団体が反対する光景は日常的ですが、ごく一部の業界関係者のために世の中の多くの人の利便性を奪い、日本をガラパゴス化させた挙句、結局は外圧に負けて開放せざるをえないのです。
まぁ、時代錯誤なのも、不動産業は参入障壁が低いので守りようがないのも重々知った上でポジショントークしなければならないのでしょう。お約束のネタを披露するリアクション芸人のようなものです。
もっとダサいのは地銀かも!?
また、地銀の不動産仲介業進出は要望の中の一つに過ぎませんが、
(あとは過剰な記録・確認義務の緩和とか)
追い詰められた地銀が新しいビジネスモデルを模索して出た案が「不動産仲介」
銀行と同じ過当競争市場で、新規参入が増えたとしても顧客側はほとんどメリットがないほど世の中に溢れかえっているサービスです。
地銀のこれからにあまり期待は持てなそうです。
地域の将来を見据え新しい産業・企業を育成する真のバンカーになるという理想や、ワクワクするような新事業をはじめるという発想は微塵もないようですね。
shiro-shita
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