住まいプランハック 賃貸編

不動産知識・テクニック

住まいプランハック 【賃貸編】

山ほどある不人気な物件 どんな物件なら逆張りしても快適に住めるか?

多くの人が求める住まいの要素・求めるタイミングをあえて逆張りし、ライフスタイルと調整力でもって賢く住む住まいプランハック

<前々々回の記事>2020年代住まいプランはもっとハックできる【住まいハック総論】
<前々回の記事>住まいプランハック 【持家編】
<前回の記事>住まいプランハック 【持家・賃貸・投資ミックスプラン】

今回は賃貸での住まいプランハックについてです。

賃貸における住まいプランハック

賃貸は持家のような金銭的&住まいを決め打ちするようなリスクがありません。失敗したなと思えば引っ越せばいいのです。なので、賃貸には大失敗ということがありません。リスクとリターンのトレードオフの関係から、逆に大成功もないということです。

 
持家であれば、購入後にエリアの地価が大幅に下落してもお金を返してもらえません。購入価格をもとに組んだ住宅ローンの支払いを延々としていかなければならず、大失敗です。

持家は住まいプランに失敗すれば一生を左右しますし、逆に成功すればその効果は一生持続することもあります。

 
賃貸であれば、賃料が周辺相場からみて不相当であれば変更されるということになっています。賃料が割高な部屋を借りてしまっても契約時に決めた条件は絶対固定ではなく、地価が大幅に下落したら賃料減額の申し入れが可能です。逆に上がれば賃料増額を求められます。
(経済情勢の変化と同じ速度、同じ幅で条件を見直されることはありませんが)

 
中には変化に疎かったり合理的判断をしない大家さんもいて掘り出し物的な物件がない訳ではありませんが、

そのような物件は、設備や、大家と店子の契約関係も昔のままだったりするので、かえって住むべきではありません。

入居者に甘過ぎて合理的経営になっていない物件は入居者にとってはもちろんありがたいのですが、大家さんだって経営が素人だと末長くは続けられません。類稀な資産家で経営体力には問題がないにしても、相続で別の人に変わることもあります。大家さんは高齢が多いので。

 
良くも悪くも将来にわたり固定化されないのが賃貸なのです。

不人気な賃貸物件は山ほどあるが克服しうる条件とは?

持家ほどのインパクトはないにしても、もちろん賃貸でも逆張りして安い物件を借りることはできます。

 
例えば、

風呂がバランス釜

壁が薄くて隣室に音がダダ漏れ

断熱材がなく暑くて寒い

棟内の入居者が危険人物で溢れている

隣地で爆音振動

 
こういった条件を許容できれば賃料は劇的に下がります。

 
しかし・・・

普通の感覚からすると利便性ガタ落ちでストレス半端なさそうです。

ライフスタイルと調整力で対処できるレベルではなく、変人レベルではないと快適に暮らせないでしょう。

それらは賞味期限切れ間近だからセール価格になっているようなものです。

 
ハックするには単なる不人気物件ではなく、ライフスタイルと調整力によって対応できる不人気さでなければなりません。

賞味期限は十分あるが在庫過剰でセール価格になっているような、商品コンセプトが失敗している物件が狙い目だと思います。

 
例えば、

最寄駅から徒歩20分以上、中心部に自転車で行くのは無理って立地の1K

周辺に買い物施設や小中学校がない立地にあるファミリータイプ

すでに供給過剰にもかかわらず建てられた競合物件と同レベルかそれ以下のスペックの物件

決められた規格プランを周辺環境無視して建てた(置いた)日照やプライバシー、防犯や湿気等に問題がある物件

 
そんな物件そんなにないでしょって思うかもしれませんが、意外とあります。

「素人投資家に半ば騙して売りつけた建売アパート」や「地主に相続対策が必要と半ば騙して建てさせたアパート」です。

不動産営業の被害者達ですが五万といます。

不動産業界は不必要なものを作ってそれを必要としない人に売ることで成り立っているのです。
(新築賃貸でちょっと前に量産されたシェアハウス、現在量産されている10帖未満LDKと3帖未満の洋室の1LDKも失敗物件候補筆頭です)

 
ただ、コンセプト失敗物件も築浅のうちはさすがに入居者が入るので、

ダンピングされるのは、早いもの(特にひどいもの)で築10年以降、それ以外は築20年以降のものです。

 
 
また、若干賞味期限切れ的ですが、不人気な間取は克服しようがあります。

20㎡を切る劇狭ワンルームは自称ミニマリストならいけるはずです。

 
それと、こんな間取はかつて一世風靡しました。

2DK

特に公営住宅、社宅ならほぼこれみたいな。

部屋が仕切られているとはいえフリーアクセスに近くプライバシーが保たれにくいので現在は人気がありませんが、

アイデア次第では快適に住める可能性はあります。

収納や家具、導線といったアイデアがたくさん書籍化されています。

 
 
市場次第ですが、どちらのタイプも供給が需要を上回っていることが多いです。

RC造なら築年数が結構経っていても断熱性と遮音性はあるのでオススメです。

ハックと不人気物件高掴みは似て非なるもの

検討事項が複雑な持家にくらべて賃貸のハックの方が明快です。

とはいえ、ネットで情報見て良さそうでも実際に行ってみるとあんまりだったということもよくあり、やはりそれなりに情報収集し、トライ&エラーを繰り返す労力は必要になります。逆張りしてハックする訳ですから。

また、いいように不人気物件を悪条件で掴まされないよう一応は注意すべきです。

なお、そういった物件はさらに条件交渉に応じてくれる率が高いので申し込み時に交渉してみるといいでしょう。

 
かくして不人気であることを承知の上、不人気条件の克服策を講じながら、経済的メリットを享受するために不人気物件に入居するのですが、

一方で、不人気物件を望まないもののそこに妥協せざるを得ない人もいます。

 
どんな人だと不人気物件を意図せず掴まされるか!?

次回記載します。

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shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

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