2020年代住まいプランはもっとハックできる 住まいハック総論

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2020年代住まいプランはもっとハックできる【住まいハック総論】

多様なライフプランが許容され、夥しい住まいがストックされる今、逆張り住まいプランで自己防衛すべき

いわゆる日本人の標準的家族像というものがあります。子供が二人いる夫婦4人家族でご主人はサラリーマン、奥さんは専業主婦ってやつです。

今でもメジャーな家族構成ではありますが、シェアが下落傾向です。

このような変化というのは何も今始まったことではなく、時代によって主要な家族構成は変遷しており、いわゆる標準的な家族像は戦後から平成にかけてたまたま主流だったに過ぎません。

 
同様に、日本人の標準的住まいプランというのもあります。結婚して子供が生まれた頃に長期の住宅ローンでマイホームを買うというものです。

○ヶ丘とか△台みたいな閑静な住宅団地に庭付き夢のマイホームっていうのはさすがに隔世の感がありピンとこないかもしれませんが、現在主流の若干都心回帰したエリアに建売住宅や分譲マンションを購入するってのも購入時期や購入方法は同じです。

 
しかし、近年は人生の大半を一つのマイホームにコミットするというライフスタイルが揺らいできています。


これまでは主流派に属せば終身雇用・年功序列・社会保障により将来的にも安定を享受できると思われていましたが、

近年は主流派となっても安定はなく、世の中の変化に合わせて自分も変化し続ける必要があり、主流派が徐々に解体され判断が個々に委ねられた結果、ライフスタイルの多様化がより加速している、

ということが変化の背景にあります。

 
これからはフレキシブルでダイバシファイドなライフスタイルを可能とする利便性が重視されながらも、生活防衛上経済合理性が追求された住まいを求める傾向がより強まるでしょう。

多様なライフスタイル&多様な住まいの最適解を模索する

これからの住まいは利便性と経済性を重視と言いましたが、それ自体は今も昔も同じです。

 
主流派に属せば将来も安定した生活を営め、右肩上がりで市街地がどんどん拡大していく時代であれば、郊外の住宅団地の一戸建てを長期ローンでコミットするのは利便性と経済性の釣り合う合理的な選択でした。

その時点では市街地から離れ便利とは言えないエリアですが、月々のローン返済は抑えられ、将来的に都市化が進むことで徐々に利便性の向上を期待できます。

 
また、昔は家を買うのがほとんどが主流派の人で、住まいとして提供される商品も各社似通っていました。

ライフスタイルの振れ幅が小さいので住まいのバリエーションも少ないのです。

逆も言えて、バリエーションが少ないのでよりライフスタイルが収斂されるのです。

 
ちなみに、不動産のよくある論争に「持家VS賃貸」「戸建VSマンション」というのがあります。

そんなのはマクドナルドのハンバーガーとチーズバーガーどっちがお得かみたいなレベルでそもそも論争として成立しませんが、いずれも同じようなライフスタイルの人がバリエーションを変えるとどうなるかってことを論じています。

 
ただし、今は個々人のライフスタイルの振れ幅が大きく、日本全国津々浦々に夥しい住まいのストック(バリエーション)があります。

所得は増えず将来の見通しも明るくない中で、「ライフスタイル×ストック(バリエーション)」の夥しい組み合わせの中から自分にとっての最適解を模索しようというのです。

その模索は、「安定がなく変化が前提であれば賃貸一択」という短絡的なものではなく、

賃貸であれば、得られるフレキシビリティは賃料を払い損するのに見合っているか、もしくは、フレキシビリティ以外の利便性を犠牲にしていないかを検討しなければなりません。

持家であれば、単に所有欲という非合理的欲求を満たすためのものではなく、持家にすることで得られる経済性や利便性はフレキシビリティの制限に見合っているか、また、フレキシビリティが制限されることの対策は講じているかを検討しなければなりません。

 
そもそも利便性と経済性は相反するものですが、自身のライフスタイルをつぶさに分析し、どうしても外せない要素は押さえつつ、その他の要素は敢えて削ぎ落すことでそのギリギリの落とし所を探るのです。

削減効果はこれまで住まいに重視されていた要素を削る方が高いので、住まいプランを意図的に逆張りするような形になります。

逆張りで住まいプランをハックする

「ライフスタイル×ストック」の関係は下図のようなイメージになります。

まず、いわゆる主流派ど真ん中の人は住まいプランを逆張りするのが困難です。

駅から何十分もバスに揺られないと辿り着けない立地にある狭っ苦しい古い家なら安く買えそうですが、中心市街地のオフィスで働いているならムチャクチャ不便です。

主流派の人は物件が高くなるのは仕方ないのでそれ以上に稼いで防衛しましょう。

 
また、逆張りの仕方を間違えるとレアモノ狙いでかえって高く付きます。

駅から何十分もバスに揺られないと辿り着けない立地にある狭っ苦しい古い家でストレスなく暮らせる人であっても、市場にそういった物件がなかったり、あっても決して安くないということもあります。

住まいの価格は結局は需要と供給で決まるので、要素を削減してもその市場では価格に与える影響が微々たるものであったり、そもそもそういった物件の需要がないことで供給自体されていなかったりします。

 
かつては需要が高く数多く供給されたものの、最近は不人気で在庫が積み上がっているような物件が狙い目です。

そういった物件に対応可能なライフスタイルと調整力を持った人が逆張りして住まいプランをハックできるのです。

 
次回以降住まいプランハックについてより具体的に記載していきます。

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shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

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