しょっぱい不動産投資「築古戸建」編

買い手・借り手

しょっぱい不動産投資「築古戸建」編

賞味期限切れ建物で目一杯稼いで最後は解体して土地で売る

低価格帯の不動産をキャッシュで購入しなるべく自力で管理運営してしぶとくせこく利益を捻り出す「しょっぱい投資」

<関連する記事>不動産向け融資が凍結されている今、「しょっぱい不動産投資」で糊口を凌ぐ

物件種別ごとに深掘りして記載します。今回は築古の戸建です。

【過去の記事】
第1回:しょっぱい不動産投資 「月極駐車場」編
第2回:しょっぱい不動産投資 「区分所有」編

築古戸建でのしょっぱい投資概要

築古の中古戸建を購入し第三者に賃貸します。

しょっぱい投資で扱うのは、建物が法定耐用年数を超えていてほぼ土地価格で購入できるもの、もしくはそれに近いもので、すでに借りている人がいて賃料が入ってくる、もしくは現在は空いていても貸すことができるものです。

建物の経年劣化による中古市場での売買価格と賃貸市場における賃料価格のギャップを利用した投資といえます。

建物の中古市場での売買価格は新築時から年数に応じて逓減し、木造で築40年ともなるとほぼゼロです。つまり土地代で買えるのです。

対して賃料は築年数による逓減率が売買価格ほどではなく築30年以降はほぼ一緒です。また、戸建なら1Kということはなく小さくても2DKはあるでしょうからそれなりの賃料になります。

ある意味ではほとんどタダで買ったものをそれなりの賃料を取るアコギな商売です。

築古戸建でしょっぱい投資をするメリット

維持費が安い

戸建の間取は基本ファミリータイプなのでそれなりの賃料ですが、築古の木造なので固定資産税が安く、マンションと違い管理費・修繕積立金はないので維持経費が安く済みます。

将来、売却しやすい

将来の出口戦略は解体して土地として売却するのが王道ですが、戸建なら入居者は1組なのでわざわざ立退きを交渉しなくても、その入居者が退去したタイミングで解体すればよく煩わしさがありません。

土地が訳ありだと更に利回りUP

中には再建築不可の土地が建物付で売っていることがあります。そういった物件は土地代も激安だったりします。

建物は既存不適格(建築当時は合法だったが現行法では建替の要件を満たさない)か違法建築ということになりますが、既存不適格は建て替えずにリフォームしながら使い続けることに何ら違法性はなく、違法建築だとしても今更それが発覚して使用を禁じられることは稀です。つまり建物として普通に使えるのです

そういった物件で投資すれば低予算で投資でき高利回りです。

何も再建築不可に限らず旗竿地や玉石擁壁等でも、基本的に賃料に影響を与えないのでそれを理由に安く買えれば投資向きです(出口戦略は難しくなりますが)。

築古戸建でしょっぱい投資をするデメリット

問題入居者率が高い

そういった古い物件に住んでいる入居者は一般的には高齢だったり、収入が低かったりといろいろと訳ありの率が高いです。いわゆる問題入居者に振り回され、家賃滞納に事件事故なんてこともあるかもしれません。

原状回復費用がでかい

長年住んでいる入居者が退去すると原状回復費用が100万円超ということはざらにあります。20年も住んでいたのであればだいたい室内丸とっかえですから。で、その費用はほとんど入居者に請求できません。それまで20年間支払っていた家賃にその工事費用分が含まれているからです。しかし、途中で物件を購入した場合、その賃料をほとんど受け取っていません。長期入居者の場合はそのような原状回復の隠れ債務が多額にあると覚悟すべきです。

特に戸建だと買ってすぐに入居者が退去されると痛手です。

多大な原状回復工事を行なって貸したとしてもその分を回収できるかわかりませんし、いずれは戸建を解体して土地で売るにしてもその時点で売却すれば赤字になるという究極の選択を迫られます。

大規模修繕リスク

雨漏れ、建物躯体の不具合等々で大規模修繕が必要になることがあります。

賃料が入っている戸建が売りに出される以上は、売主は大規模修繕をしなくてはならないがしたくないから売るということもありますし、入居者がいながら売買だと室内を確認できないのでブラックボックスです。

築古の戸建なのでそういったリスクにもろに晒されている訳です。

最初からわかっていたり、それを覚悟して費用を予算化して購入できればいいですが、想定外の大規模修繕が必要になると抜本的に投資計画が狂います。擁壁が崩れたとか、建物が傾いたといった1000万円以上掛かることもあります。

 
 
基本、戸建で購入後間もなく退去したり、想定外の大規模修繕が必要になった場合は投資失敗と諦めるしかありません。

敗戦処理のフェーズに移行しますが、株や投資信託なら損切りして終わりですが、不動産の場合は入居者に立ち退いてもらうとか、土地として売却とか敗戦処理もボリューミーです。

というか敗戦処理(最終的に売却まで)できず延々と持ち続けなければなくなるリスクもあります。

築古戸建 投資運用シミュレーション

シミュレーション(築古戸建)

◆シミュレーション条件
物件価格:500万円(諸経費別途)
土地面積:147.95㎡
建物面積:67.07㎡
月額賃料:53,000円
稼働率:100%
維持経費:固定資産税、火災保険料、維持修繕費用 ※管理は自主管理
売却時期:15年後
売却価格:500万円(解体費150万円その他の諸経費別途)

◆シミュレーション結果
初期投資総額:545万円
保有時年間キャッシュフロー:58万円(初年度)
最終利益:665万円
※所得税住民税は考慮していません

それなりの賃料が入り、区分所有にくらべて固定資産税が安く、管理費・修繕積立金もないのでNOIが高く、入居者がいなくなれば即解体できるので区分所有のように限界マンション化することもありません。土地価格で買って、将来も土地価格で売れる(と思われる)のでキャピタルロスもありません。

そして、戸建は投資ジャンルとしてあまり一般に認知されていないので物件購入時に競合投資家が出にくく焦らずじっくり判断できるという良さもあります。

まさにしょっぱい投資家向けのジャンルなのです。

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shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

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