それなら不動産営業はどうすべきか!?②

業界動向

それなら不動産営業はどうすべきか!?②

不動産営業は顧客のステップアップをプロとしてサポートすべき!

前回は集客がIT広告にリプレイスされた状況では、これまでの不動産会社的な発想では現状を打破するのは難しいと申し上げましたが、

ならどうしたらいいでしょうか。

<前回の記事>それなら不動産営業はどうすべきか!?①

顧客にとって価値のある不動産営業とは?

それは難しく、はっきりとした答えがない問題です。それを、私のようなさしたる実績もない人間が語るのもおこがましいですが、

取るべき施策はあるように思います。

顧客にとって不動産は手段であって目的ではない

IT広告はすべての不動産取引を代替した訳ではなく、今のところ集客をして、それを加盟している不動産会社に送客しています。

顧客としては不動産会社に送られたのではなく、物件に送られたと思っているので、その不動産会社は単なる窓口でしかなく、余計な講釈や営業トークをすべきではありませんが、

顧客の計画のクオリティを上げてくれるサポートなら別です。

 
そもそも、顧客にとって不動産を購入する(賃貸する)というのは手段であって目的ではありません。

目的は現状よりも快適だったり合理的だったりする人生のステージを得ることです。

その目的には様々な成し遂げ方が考えられますが、顧客としてはこの手段(不動産)が適当ではないかと仮説を立てているのです。

 
しかし、あくまでも仮説なので詰めが甘かったりします。

その手段では目的達成ができなかったり、もっと良い手段があったり、リスクを見落としていたりということがありえます。

例えば、

中古物件で顧客の思惑以上のリフォーム費用が必要だったり、

今の小学校と同一学区のはずが、実は隣接の学区の物件だったり、

店舗に改装するつもりが用途規制されているエリアだったり、

予算の範囲内と思っていたが高齢になるとローン支払いが難しかったり、

 
なので、その物件が顧客の目的に適当かどうかをプロの目から見てアドバイスすると顧客は聞き耳を持ちやすいと思います。

顧客自らが仮説を検証&ブラッシュアップするのをサポート

もっと言えば、目的があるということは現状に何らかの悩みや不満があるということです。

ですので、その悩みを共有し同じ方向を見て解決方法を模索するのです。

 
例えば、

妻の実家に同居しているマスオさん状態から抜け出したい、

アパートに住んでいるが老朽化で立ち退きを迫られている、

旦那の実家に同居しているがこのままだと旦那の親の介護を押し付けられる、

 
悩みを顧客と共有すれば、

顧客の生き様を把握することができ、顧客がこれからどのようなステージで生活を送るのが相応しいのかリアルに生々しく思い浮かべることができます。

もちろん、中には答えが出ない悩みや、現実逃避的な願望、積み重なった恨みつらみもありますが、共感しながら聞いて吐き出してもらい、その上で可能な限り現実的でポジティブな方向を目指してもらうようにします。

 
そうすれば型通りの物件希望条件や尋問のように勤務先や年収、親からの贈与の可能性を聞き出す必要はなくなります。

 
不動産営業は物件の希望条件として予算や希望立地に間取を聞く人がほとんどですが、それは顧客の仮説による物件条件であり、しかもバリアを張っていて正直に答えていないことも多いです。

不動産営業はその条件に縛られて無駄な情報提供をしているうちに、顧客は短時間のうちに自ら学習して仮説をブラッシュアップし、当初の希望条件とは異なる物件を購入します。

 
不動産営業は顧客との知識格差から主導権を握って購入させようとしますが、顧客は不動産ほどの高額商品であれば自分なりの判断の軸が確立するまでは購入しません。

悩みから仮説が導かれ、仮説の検証を重ねるうちに判断の軸ができ上がるのです。

 
なので、IT広告から送客された顧客であっても、その顧客のステップアップをプロとしてサポートする不動産営業であれば顧客にとってバリュアブルです。

それでも効果は限定的!? それは営業も手段であって目的ではないから 肝心なのは不動産業の本質

といっても、

「うちは接客に苦労しているのではなく集客に苦労している、IT広告もやっているけど反響があまりない」という人もいるでしょう。

それはまた別の問題で、その不動産会社自体のプレゼンスがなくなってきているのです。

 
営業方法についてあれこれ語ったのが虚しくなるようなことを言いますが、どんな高等営業スキルだとしても、それを求めている顧客はほとんどいません。

 
顧客が不動産会社に求めていることは良い不動産を世の中に供給したり、不動産の価値を高めてくれるようなサービスです。

それをできなくて、営業スキルに依存して売上を作ろうとしている不動産会社はなくなってもらった方が世のためです。

長年営業してきてそれができないとか、する気もないのであればそろそろ身を引いてはいかがでしょうか。

例え、自社で不動産を売ったり買ったりしないで他社の物件を仲介する専門会社だとしても、不動産の分析力・提案力を強化して他社より不動産を魅力あるものとしてアピールすることはできます。

弛まぬ努力と閃きと偶然によって不動産業の本質的クオリティーを向上させなければ、いくらIT広告に大金使おうが、営業スキルを磨いてもいずれ世の中からは見向きをされなくなるでしょう。

 
なので、今回申し上げた営業施策についてのことは、集客がIT広告にリプレイスされている中で取るべき施策(の一例)であり、不動産会社自体がプレゼンスを無くす中では焼け石に水です。

 
 
そして、その営業施策が持つバリューも一過性のものです。

営業スキルは一時的にはキラースキルでも、短期間のうちにコモディティになりますし、日進月歩のIT広告はそれすらすぐにAI化しかねません。

世の中と自分の会社と自分自身を的確に把握してスタンスを変え続けなければなりません。

 
 
やっぱりビジネスって難しい、それをたった一人で取り組んでいる私ってどんだけ無謀なんだ…

 
と自分で書きながらどんどん暗くなっていくのでした。

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shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

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