“スタバでMacBook” イケてる人と踊らされている人は紙一重
スタバでMacBook
知的で先進的で個人主義な現代のアイコンだと思います。
スタバのオシャレな空間、そこに集う意識が高い方々、MacBookの先進的なインターフェース、それを使うイノベーティブなユーザー。
ただし、うがった見方をすると、
スタバもアップルもそのようなブランディング戦略を目指し、成し遂げたのであり、
ブランディング戦略は企業利益追求のためです。
つまり、スタバでMacBookな人はスタバとアップルの思惑通りに高利益商品を買わされているということになります。
広告にジャックされる社会
現代では企業が消費者の購買行動のイニシアティブを握ろうとブランディングを含めた広告競争が熾烈です。
インターネット上のスペースの半分近くは広告が占めています。
ネットやリアルにおける有名人をインフルエンサーといいますが(少なくとも一部の人々にとっては)影響力がある人ということであり、インフルエンサーのビジネスにおける価値はその影響力で多くの人々に購買行動を起こさせることにあります。
民放テレビの顧客は視聴者ではなく広告主で、広告主はテレビ局に対して、番組間にCMを流すだけではなく、しばしば自社商品をテレビ番組内でアピールさせたり、自社に不利な報道に圧力を掛けたりします。
マガジンの顧客は購読者とともに広告主で、最も高額な広告スペースはいわゆる広告コーナーではなく、購読者には一見広告と気付かれない特集記事です。
世の中はそれとわかりにくいものを含め広告に溢れ、人々の意識&無意識をハックすることで、企業へ利益誘導しています。
広告に苦心する企業
とはいえ、すべての広告が悪意に満ち消費者をミスリードするものではありません。というかそんな広告むしろ稀です。
企業側から考えてみれば、
広告をするのに手間と費用は確実に失われますが、効果は約束されていません。ドブに捨てる可能性をおしてやるのは、基本的には商品が伝えたい価値のある自信作だからです。
また、クオリティや原価が同程度の競合他社商品がある場合、自社が広告費を掛ければその分高く売らなければならず、競合他社を利する可能性があります。むしろ、競合商品より(少なくとも一部分では)優位性がある商品で、そこをアピールするために広告を行っていると考えるべきです。
さらに、当然ですが消費者側は悪意のある誘導に騙されることを心底嫌いますので、悪意ある誘導をし続けることはもちろん、悪意があると誤解されることすら企業にとって多大なリスクです。広告の手間と費用のみならず炎上リスクまで企業はテイクしようとは思わず、基本的には消費者に誠心誠意向かい合おうとしています。
(そもそもが悪意あるビジネスモデルの企業なら別ですが)
世の中が広告に溢れ、広告手段も多様化していることは、企業側がどうしたら商品の良さを消費者に伝えられるか、広告費の商品価格への転嫁を最小化できるかを試行錯誤していることのあらわれでもあります。
広告リテラシーを身に付けるには
通販番組の「今日限定で特別半額!お急ぎください!」みたいなセールストークに乗せられてしまう人は完全なる情報弱者です。
かと言って、
広告はすべて悪と決めつけて一切の情報を遮断するのも情報弱者まっしぐらです。
では、どういうスタンスで広告に接するべきなのかというと、
企業は、商品の性質、広告予算、競合他社商品、消費者マインド等を分析し広告を行っていますが、
有効なデータを収集し、それを解析し、効果的な広告の仮説を導くことはたやすいことではありません。
しかし、逆に、その企業の広告をみることで、企業がどのように仮説を導いたのか推測するのは比較的容易です。
広告をみることで企業の手の内が読めるのです。
それが真のリテラシーをもった消費者と言えるのでしょう。
shiro-shita
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