不動産売却のチェックポイント動産の扱いについて

不動産知識・テクニック

不動産売却のチェックポイント4 室内外の動産ってやっぱりゴミなの!? ​

引き続き不動産売却のチェックポイントについて記載します。

<第1回>権利証・登記識別情報通知
<第2回>抵当権等の不動産に設定された権利
<第3回>完璧な隣地との境界の状態とは!?

不動産売却における動産の扱いと処分方法・時期

不動産売却における動産の扱い

不動産売却における動産、つまりは家具、家電、食器に書籍、カーテンに照明etc…

基本的に全てゴミとして扱われます。

 
 
プレミアのついた調度品の類であれば金銭的な価値があるでしょうが、

不動産の購入者がたまたまその調度品の価値がわかり、それを買い求めたいと思う人である確率は天文学的なので、別途売却するとか、転居先で自分で使いましょう。

 
 
また、不動産が居住用の戸建やマンションであれば、ダイニングテーブル&ダイニングチェア、ソファ&ローテーブルはよっぽど見た目が悪くなければ、購入検討者との商談用に置いておいてもいいかもしれませんが、

それらは営業ツールとして使い途があるというだけで、家具自体が商品になる訳ではなく、基本的には買い手が決まって、不動産を引き渡すまでには撤去します。

 
近年は室内を完全な空室で売るのではなく、インテリアコーディネイトして見た目と印象をアップさせるホームステージングも増えつつありますが、

それはプロのインテリアコーディネイターが狙って行うことであり、基本的には既存のものを利用しません。

 
繰り返しになりますが、室内の動産はゴミなのです。

 
 
同様に、敷地内にある庭石、物置、樹木ゴミです。

庭石はかつては高値で取引されたこともあったようですが、今では処分代が高く付く完全にお荷物です。

今でも庭石に価値を感じる人もいますが、購入者がたまたまそういう人である確率はやはり天文学的だと思ってください。

動産の処分方法

ゴミである以上は処分しなければなりませんが、どのように処分すればいいでしょうか。

大量にしかも大きく重いものがあれば個人ではなかなか処分しにくいので、処分業者に依頼したいものです。

 
ただ、金銭面でいうと、個人で処分するに勝るものはありません。

処分業者はビジネスとしてやっているので手間賃が上乗せされるということもありますが、公的な処分場では業者NGで個人でのみ利用可能なものが多いからです。

 
また、処分方法ですが、

 
 
①普通ゴミとして捨てる 

②ゴミ処理場へ搬入する

③粗大ゴミとして出す or 臨時ゴミとして収集を依頼する

 
順に料金が上がります。

町内会等で問題にならない程度に少しずつ、大きなものは分解しながら普通ゴミとして捨てるのが一番安上りです。

期間に余裕があれば計画的に捨てていきましょう。

 
特に、捨てるのが面倒(そう)なものは

    テレビ・洗濯機などの家電4品目 … リサイクル券購入の上、指定の場所に持ち込みます。
    液体 … 少しずつ何かに染み込ませて捨てます。
    ピアノ … 専門の業者に依頼。多少の値が付いたりします。
    物置 … 金属は売れるので、業者がタダで引き取りに来てくれます。可能であれば分解だけすればいいでしょう。
    庭石 … 専門の業者に依頼。ユニック車を使うので高く付きます。

 
もちろん、金額よりもスピードや簡便さを重視ということであれば、処分業者に一括して依頼するに越したことはありません。

動産処分は絶対ではないが…

事前に引越して空家で売るならガンガン捨てればいいでしょうが、住みながらにして売るというケースでは、今暮らすのに必要なものは捨てる訳にはいきません。

その場合は買い手が決まって売買契約をして、物件引渡しまでの間に、動産の処分と引越しを行います。

動産が多かったり、引渡しまでに期日が必要であれば、引渡しまでの期日を長めに設定することもできます(もちろん買い手が了承すればですが)。

 
さらに言えば、動産の処分は絶対という訳ではありません。

買い手が了承すれば、一部を残したり、極端な話、全部残すことも可能です。

もちろん、その場合は買い手の費用負担で処分することになり、たいていは不動産の売却価格を処分費用分安くします。

 
 
また、売却しようと思って押入れの整理をはじめたら、

過去の思い出が溢れて一向に作業が進まない上に新生活に臨む決意が揺らいでくるとか、

ものをどけてみたらこれまで気付かなかった壁紙の変色といった建物の劣化、損耗を発見して売却できるか不安になったりします。

それは、多くの方が通る道です。

些細なことで全体観を見失わずに、本来の目的に立ち返ってご判断いただければと思います。

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shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

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