祖父の愛したゴミと不動産③ 祖父の残した生き様と不動産

城下個人的

祖父の愛したゴミと不動産③ 祖父の残した生き様と不動産

苦しいから欲が起こる、欲を求めると暗さから抜け出せない

<前々回の記事>祖父の愛したゴミと不動産①
<前回の記事>祖父の愛したゴミと不動産②

暗さから脱しない限り本当の意味で幸せになれない、しかし、そのために出家して修行なんてできない、そんな現代人が暗さに向かい合う術はないのでしょうか。

暗さを克服するためにすべきこと

諸法無我たる仏の世界と違い諸行無常の人間社会である以上、中道的な在り方は時代によって変化するのだと思います。

 
なので、出家するよりも、

むしろ、仕事に家族があるという通常の環境で生きるべきなのではないでしょうか。

 
通常の環境とはいえ人生は厳しいです。

 
期待を裏切られたり、逆に人の期待を裏切って無力感や罪悪感に苛まされたり、将来の不安に慄いたり、うまくいっている人を妬んだり、逆に目下の人を蔑んだり、

憧れが嫉妬に、前向きが後ろ向きに、希望が絶望に、

 
そんなことの連続で身も心もすり減らし、救いのない苦しさが人生です。

 
その苦しさの中で、人は藁をも掴む思いで求めようとします。

 
何を求めるかというと、通常は欲です。欲を渇望し、それに耽溺しようとします。

そうでなくても、外界を遮断したり、独りよがりに陥ります。

 
そのように苦しさから逃れようとかえって誤ったことを繰り返してしまうことが道理を知らないということであり、それこそが暗いということです。

 
そうではなく、

正しい視点で事象を見て、感じ、考えることに肉薄し、その一見ばらばらに見える様々な事象にある共通性を見出せるよう努力すべきなのだと思います。

苦しいという感情は自分から湧き出ている、それを発する無意識領域の自分に会いに行く

苦しい、嫌だ、怖いと思ったときに、その感情をもっと強い刺激で打ち消そうとしたり、感情を認めないふりをしないで、

なぜその感情が湧いてくるのか源泉を探るのです。

 
その負の感情は一見するととげとげしたものですが、むしろ強いショックから自分を守るために自ら発したものであり、その嫌な感情は防衛本能発動による副作用だったりします。

そして、そこまでして守ろうとしている真の自分は何なのかというと、それは自分の根源でありながらすでに自分では制御できない自分なのです。
 

世の中は甘くなく思い通りにならないものですが、それを苦しいと思うのは自分自身です。外界はトリガー(きっかけ)でしかありません。

そして、自分が苦しいという感情を発するのは防衛本能といった無意識に行っている思考の癖です。

 
その癖を見極めながら少しずつ無意識領域にある根源的な自分に出会おうとするのです。

 
例えば、

人の成功を喜べない自分がいて、それは一義的には負けず嫌いな感情がありますが、もっと奥底には負けることを過剰に恐れる自分、さらに奥にはそのままの自分で人に評価されたり、愛されないみじめな自分がいたりします。

自分がみじめであることを認めたくないあまりに、私は彼よりも能力がある、彼がうまくいったのは偶然だと思い自己防衛しているのですが、

むしろ、自分がみじめだと感じた過去の経験は本当にみじめと認定するのが適切か、

そして、その経験から相手に負けてはいけないという学習は適切か、

それらを再検討すべきなのです。

今さら記憶が不鮮明で再検討できない場合は、負けることを恐れる自分を認め、なぜそういう気持ちが湧き上がってくるのか根っ子を掘り下げていくのです。

 
そういった試みを繰り返すうちに、感情の起伏に翻弄され、苦しさに対処しようとかえって身を破滅に追い込む暗さから脱却することができるようになるのだと思います。

祖父の残した生き様と不動産

祖父が直面した苦しさの中で藁をも掴む思いで握りしめたものは、

節約して貯めるというシンプルな法則。

それが成功したように見えたことが祖父の人間性を決定づけたのだと思います。

節約と言っても、それは銭を増やしたいという欲求であり、それがエスカレートした結果がゴミ屋敷なのです。

 
祖父により多くの恩恵を受けている者としてこんなこと言うのは甚だ罰当たりであることは重々承知していますが、

共に生きた家族として、祖父の人生に向き合った私の思いです。

綺麗事にまとめることもできますが、かえってその方がよそよそしく家族に接する態度ではないように思います。

 
そして、言わずもがなですが、良いところ、優れた部分も沢山ありました。

そもそも、祖父は抱えた家族を食わせていこうとしただけなのだと思います。それで不動産を得て、それがエスカレートした。

でも、いくら欲が強まっても、それに完全に支配され破滅に陥るのではなく、芯がぶれることがありませんでした。

 
そんな生き様と不動産を次の世代に残したのです。

 
祖父の人生を深く噛み締め、託されたバトンは大変重たいものですが、そこにしっかり向き合って私自身の役割を果たしていきたいと思います。
(おしまい)

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shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

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