ステカンって何?
たまに電柱に不動産会社の看板が取り付けられていることがあります。「ステカン」(捨て看板の略)とかマキカン(巻き看板)と言います。
販売物件に対する顧客の注意喚起を促し、顧客を販売物件に誘導するために設置される広告物です。
電柱の所有者や町内会等に許可は得ておらず、軽犯罪法や迷惑防止条例に違反し、景観を損ね、電柱への有料広告者のモラルハザードを引き起こす社会悪以外の何ものでもありませんが、
実害ってレベルではなく、わざわざ警察に通報するのは余程普段からストレスが溜まっている人くらいで、当局も除去する方が手間がかかるので本腰を上げて取り締まることはありません。
不動産会社にとってのステカン
不動産会社がコンプラ違反と知りながらステカンを設置するのは、コストやリスクに対しリターンが大きいからです。
コストとリスクといっても、
捨て看板の多くは不動産会社が自分で作ったもので費用は雀の涙、それを自分達で取り付けるのでコストはほぼタダ、
違反ではあるものの除去される程度で罰金や罰則は基本的に受けないのでほとんどリスクはありません。
だから、付け得とばかりにやたらめったら取り付けます。
売れ行きが芳しくない物件だと、営業マンから会社への、もしくは不動産会社から売主への仕事やってますアピールのために尋常じゃない量のステカンが取り付けられたりします。
また、ステカンを除去しているのは実は不動産会社だったりします。
販売が終了して撤去するのもありますが、
競合物件のステカンを取り外したり、地域住民のフリをして警察に通報したりします。
くだらないですね。って私も以前はやっていましたが…。
本当は付け得ではない
ステカンはコストもリスクもほぼゼロと言えるかもしれませんが、それは狭い世界観で見たときの話です。
もっと大局的に、信用創造やコーポレートブランディング、スタッフの雇用育成という観点から見ると将来の発展の芽を自ら摘んでいます。
不動産会社からそんな綺麗ごとでビジネス成り立たないと反論されるかもしれませんが、少なくとも彼らもステカンを取り付けている姿を自分の子供に見せたくはないでしょう。
すでにコンプラにうるさい大手やまともな会社はステカンを設置していません。
それならいずれステカンはなくなるか!?
他がやらないならチャンスと考えるやんちゃな不動産会社がいて、例えその会社が廃業してもそのDNAは脈々と別会社に引き継がれるため、なくなりはしないんじゃないかと思います。
shiro-shita
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