ステカンって何?
ほとんどの人は意識していないかもしれませんが、電柱に注意してみてみると、不動産会社が無許可で括り付けていることがよくあります。
通称「ステカン」(捨て看板の略)、マキカン(巻き看板)とも言います。
販売物件に対する顧客の注意喚起を促し、顧客を販売物件に誘導するために設置される広告物です。
軽犯罪法とか迷惑防止条例といったものに違反するものであり、景観を損ね、有料で電柱に広告をしている人が馬鹿を見るのでいけないことではありますが、
実害って程のものはなく、近所の人も通報するのは余程普段からストレスが溜まっている人くらいで、行政側も除去する方が手間がかかるので本腰を上げて取り締まることはありません。
昔、国分町で見た光景でしたが、ピンクチラシを回収する人達の5m後を撒き屋が追っかけてチラシを置いていました。
考えてみれば、回収する人達も撒き屋がいないと仕事がなくなりますし、撒き屋も回収してくれないと次のを置けないので、ピンクチラシの印刷屋も含めて仕事が成り立つのです。
そんな茶番をするくらいなら放っておいた方がマシです。
不動産会社にとってのステカン
不動産会社が違反と知りながらあえてステカンを設置するのは、もちろん、コストとリスクに対しリターンが大きいからです。
コストとリスクといっても、
捨て看板の多くは不動産会社が自分で作ったもので費用は雀の涙、それを自分達で取り付けるので原価はほぼタダ、
違反とは言っても、除去される程度で罰金や罰則は基本的に受けないのでほとんどリスクもありません。
だから、付け得とばかりにやたらめったら取り付けます。
売れ行きが低調な物件だと、営業マンから会社への、もしくは不動産屋から売主への仕事やってますアピールのために尋常じゃない量のステカンが取り付けられることがあります。
また、ステカンを除去しているのも実は不動産会社だったりします。
販売が終了したので撤去するのもありますが、
競合物件のステカンを取り外したり、中には地域住民のフリをして警察等に通報して除去を依頼したりってのもあります。
くだらないですね。って私も以前はやっていましたが…。
もちろん本当は付け得ではない
ステカンのコストとリスクは設置した会社にほとんどなく、担当者も仕事として罪の意識なく取り付けていて、それが当たり前になっているのですが、それこそ業界の常識は世の中の非常識ということでしょう。
こういったことの積み重ねで不動産業界は自己中心的で無責任な人の集まりと、悪いイメージが完全に染み付いています。
今さらどうしようもないことですが、結局は自分たちの首を絞めているんですよね。
shiro-shita
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