不動産で固定収入を得る方法は様々!
低価格帯の不動産をキャッシュで購入しなるべく自力で管理運営してしぶとくせこく利益を捻り出す「しょっぱい投資」
<関連する記事>不動産向け融資が凍結されている今、「しょっぱい不動産投資」で糊口を凌ぐ
今回はこれまでにご紹介した種別以外のしょっぱい不動産投資について記載します。
【過去の記事】
第1回:しょっぱい不動産投資 「月極駐車場」編
第2回:しょっぱい不動産投資 「区分所有」編
第3回:しょっぱい不動産投資 「築古戸建」編
第4回:しょっぱい不動産投資 「築古アパート」編
資材置場用地
資材置場は建築資材や重機をストックしたり仮設事務所を設置するための土地です。
使用するのは建設会社のみですが、それなりの土地の広さがあり(300坪程度)、幹線道路や高速のインター近くで、大型車が出入りしやすい立地であればそれなりのニーズが見込めます。
もちろん、単なる更地の賃貸なのでそんなに賃料を取れる訳ではありません。
1坪月額数百円なので300坪あっても10万円いくかどうかです。月極駐車場として区分けして1台ずつ貸した方が高く取れます。
というより、月極駐車場で借り手が付く立地に資材置場はナンセンスで、資材置場はさらに郊外で地価が安いところで行うものです。
狙い目としては市街化調整区域のようなところです。
それでも、地目が農地だと農地転用しなければならず、仮に転用許可が取れるとしても転用費用が掛かるのでたぶん合理的ではないでしょう。
また、地目が宅地や雑種地であっても現況がヤブや荒地になっている場合はそのままでは貸せず、整地砕石敷が必要です。土地の面積が広いのでそれなりに金額になります(数百万円レベル)。
つまり、元々自分で所有している土地じゃなければ旨味がない、、、かもしれません。
土地を買ってまでやるのであれば、すでに借りられているものをオーナーチェンジとか、せめて、砕石されていてそのまま貸せるというものになるのでしょう。
底地
借地権の設定されている土地を底地と言い、底地権者には借地人から地代が支払われます。
要は貸地なので前述の資材置場と同じですが、違いは借地人が建物を建てられるということであり、借地人の権利が大きい分、一般的に地代は高く設定されます。
【地代の相場】
普通借地権 > 定期借地権(更新できない) > 建物所有を目的としない土地賃借権(資材置場など)
もちろん地価が高いエリアほど地代も高くなります。
現状は底地を投資商品として積極的に売ろうという地権者は少なく、底地を利回り物件として求めたいという買い手も少なく、底地売買のマーケットといえるレベルのものはなく、金融機関もまず融資をしません。
そんな売り手不利の状況でも底地を売ろうとするのは、どうしようもないと諦めたという人が多いでしょう。
普通借地権というより旧法の借地権で借地人の権利が強く、借地人から土地を取り返したいがそれが叶わないというケースです。
底地の購入者としては土地を安く買うことができるでしょうが、それでもそのまま同じ条件で持っていても旨味があるという程ではないでしょう。
できれば、地代のアップや、あわよくば借地権を解約して完全なる土地の権利を得ることができれば大化けしますが、前所有者と同じ轍を踏む危険性もあります。
いわゆるアービトラージ取引ともいえ資産形成というよりゲーム的要素が強い投資と言えるかもしれません。
そのまま地代をもらって収益物件にする前提で購入し、長い歳月を覚悟して借地解約タイミングを待つくらいがいいのではないでしょうか。
トランクルーム
トランクルームはここ近年で不動産投資の1ジャンルとして定着した感があります。
トランクルーム自体がアパートや事務所を建てるのに比べ価格が安いので高利回りが謳われることが多いですが、もちろんすべての土地がその高利回りを享受できる訳ではありません。
トランクルームに向いているのは一般的には下記のような条件の土地です。
①車のアクセスに優れている
車でアクセスしやすい立地かつ車で出入りしやすい道路付は必須条件。
②視認性に優れる
トランクルームの集客はネットが弱いので現物で集客できるよう視認性のいい場所が望ましい。
③トランクルーム建築が可能な立地
トランクルームは建築物なので用途規制を満たさないと建てられません。市街化調整区域や低層住居専用地域ではNG。
④周辺人口がそれなりにいる
利用するのは周辺住民なのでそれなりの人口数がないと商売として成り立ちません。
というか道路付が良くて目立って用途規制が厳しくない人口の結構いる土地ってそれなりのハードルというか、売りに出されたら引く手アマタで安くは買えなそうです。
なお、トランクルームのようにまだまだ世の中に浸透していないビジネスをやる場合は市場性がはっきり掴めない中で始めなければなりません。
アパートやマンションであれば周辺の物件の賃料や入居者率を参考にできますが、トランクルームだと周辺事例がほぼ皆無です。仮に近隣にあって稼働率が高くても、そのエリアのニーズはそれで全て吸い上げられているかもしれません。
(トランクルーム業者の中にはサブリースをしてくれるところもあり、それなら不確実性は担保されまずが、賃料は中抜きされます。または割高なトランクルームを買わされるかもしれません)
さらに、トランクルームの利用者は長期で使うのは少数派で、多くが自宅の建替の間とか、引越しでの一時的な利用です。利用者入替の管理手間も通常より掛かります。
その他には貸看板、自動販売機、精米機、基地局アンテナ等もありますが、それらは敷地の主要用途とは別に副次的に収入を得る目的でしょう。
それらをしょっぱい投資と組み合わせることができれば嬉しい収入アップになりますが、近年は看板も自販機も設置に積極的ではありません。
微妙…。だからこそしょっぱい投資!
これまで不動産投資について色々と記載してきましたが、貸看板なんかはまさにですが、そもそも不動産投資の発祥自体スキマ産業です。
最近は特にシェアリングエコノミーの流行により、青空駐車場の上にプレハブ店舗を設置して賃貸したり、オフィスを使用しない時間を貸会議室にしたりとか、これまでにない発想のビジネスが出てきています。
今後も様々なものが流行ったり逆に廃れたりしていくのでしょう。
そのような変わりゆく社会の中で、築古だったり辺鄙な立地ですでに劣勢に立たされている不動産を中長期に渡って運用し収益を出していくのがしょっぱい投資です。
変わりゆく社会に対応できるようにある程度の余裕は持って構えることは必要ですが、完璧にリスクヘッジをすることはできませんし、仮にできてもそれではしょっぱい投資は成り立ちません。
そのリスクとリターン、脆弱さとしぶとさ、しょぼさとずるさ、といったギリギリの関係の中でしょっぱい不動産投資は存在しているのです。
shiro-shita
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