今後、大部分の不動産は価値下落!?
これからの日本の不動産市場は三極化すると著名な不動産コンサルタントの長嶋修さんが言っています。
上位は現在の価値を維持もしくは上昇しますが、上位に含まれるのは東京をはじめとする主要都市の中心部の駅から徒歩7分以内のエリアで、たかだか15%とのことです。
70%を占める中位は緩やかに下落、
下位の15%は限りなく無価値となります。
東北では仙台ですら上位地域がないかもしれません。あっても極僅かの中心部です。
大部分は中位以下となりますが、固定資産税といった保有コストが下がることは考えにくいです。
そうなると、これまでは不動産を売却する際に理由を求められたのですが、今後は不動産をそのまま保有することにも明確な根拠が必要となるでしょう。
不動産を保有する理由としては下記のようなものが考えられます。
1.保有している方がメリットがある
不動産から賃料収入があり、それが不動産の価値下落を補って余りあればもちろん保有すべきです。
また、自宅であっても、第三者に貸した場合の賃料収入と、替わりの住まいを借りた場合の家賃支払い等を今後の家族構成の変化を考慮してシミュレーションし、そのまま保有するのがメリットがあるか考えてみるのがいいでしょう。
そして、仮に親から譲り受けて原価がゼロだとしても、仮に売却した場合に得られる金額(売却にかかる経費を差し引いた後の金額)が投下されているとみなして、保有するのと、その資金を引き上げて別の投資をするのとどちらが合理的か判断すべきです。
また、相続発生までは相続税評価が低い不動産にしておくというのも保有のメリットといえます。
2.売ることができない
売却しても不動産に設定されている抵当権を抹消できないとか、不動産の共有者間で考えをまとめられない、もしくは売りたいものの市場性がなさ過ぎて売れないという場合です。
「売却しても不動産に設定されている抵当権を抹消できない」というのは危険な領域には違いありませんが、確かに売却は不能です。
3.将来活用する可能性がある
今は利用していないが将来子どもが帰って来た際に利用する可能性があるといった場合です。
不動産は一旦売ると基本的に買い戻すことはできないので、確かに保有しておきたいところです。
4.売ると損失が確定するから
高い価格で購入しているので売ると損が確定するため売りたくないというのは感情的にはわかります。
もちろん本人の判断なので、私ごときがとやかく言うものではありません。
これまでの価値観に縛られるか、今の時代に最適化するか
理想は1で、4は本当はNGです。
2はまた別の問題で何らかの対処が必要でしょう。
3はできれば将来活用するまでもそれなりの有効利用ができると望ましいでしょう。
「先祖代々の土地なので自分の代で溶かしてはならない」
「不動産は必ず値上がりする」
「隣地は借金してでも買え」
といったこれまでの不動産の価値観に縛られ思考停止にならず、現代的に合理的にものを考えましょう。
shiro-shita
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