負動産問題解決の鍵は考え方、やり方、エージェントを変えること
負動産問題を解決するためには!?
社会問題化するほど負動産問題は難しい訳ですが、現時点で負動産を本気で解決しようとする場合に必要なことをまとめてみました。
まずは考え方を変える
市街地から離れた原野、山林、農地といったいわゆる負動産が現況のまま売れるかもということを否定できる根拠はありませんが、
自分にとっても世の中の多くの人にとっても煩わしく、客観的な経済価値がなさそうなものを誰かがわざわざお金を出して引き受けてくれるというのはミラクルなことです。
中にはそのミラクルが起こる人もいますが、それはほんの一握りです。
そして、ミラクルを目指すことが解決への近道ではなく、負動産の迷宮にはまり込まないためには、むしろ、ミラクル頼みからの脱脚し、なるべく現実的な路線へと向かわなければなりません。
また、負動産は自分が主体的にならないと解決しない問題です。
経済性のある不動産が未活用のまま放置されていれば頼みもしないのに不動産屋やアパートメーカーが営業してきますが、
負動産のように経済性があるか疑わしいものは業者が進んで寄ってくることはありません。
そして、不動産は消失することがないので、解決しない限りは延々と誰かが引き継いでいかなくてはなりません。(もしくは相続をすべて放棄するかです)
もし、ご自身が解決を諦めた場合、ご兄弟やお子様に託すことになりますが、一般的にはその不動産に対し知識も思い入れも低く、そのまま放置され、二次相続、三次相続が発生し権利者がおびただしい数になるとさらに解決が難しくなります。
当事者の気持ちと記憶が風化する前になるべく早めに解決すべきです。
現実的な考えと強い当事者意識を持つことで、まわりの人も一生懸命になるという好循環が生まれます。
負動産問題解決へのロードマップを作成
負動産問題は手探りで着手することが多く、どうしても場当たり的に対応になってしまいますが、それだと迷宮入りの危険性が高いです。
できれば、全体のロードマップを作成し、どの時点で次のフェーズに移行すべきか最初から決めておくべきです。
フェーズが4段階あるのはなるべく有利な条件で処分するためですが、何も順番に取り掛かる必要はありません。
最初の時点で全てのフェーズを検討してフェーズごとの見込価格を算出するのが望ましいです。
多くのケースではフェーズ1に該当しない場合に、とりあえずフェーズ2の現況販売に移行しがちですが、
その時点で、フェーズ3を行う場合の造成費用と、フェーズ4の有償処分する場合の費用を算出しておくのです。
さらに言えば、フェーズ3は所有者自らが造成工事する場合と、第三者が不動産を現況で引受けて造成工事する場合に第三者が支払う土地の対価の2種類を算出するのが望ましいです。
それらを出した上で期限を切ってフェーズ2での販売を行うといいでしょう。
エージェントは普通の不動産屋ではなく専門業者に
そして、これらを一緒に取り組むエージェントを誰にするかも重要な問題です。
とりあえず知り合いの不動産屋に頼みたくなりますが、その不動産屋がそういった市街地から離れた原野、山林、農地を専門的に扱うならいいのですが、普段やりなれずあまり自信がないということであれば途中で頓挫する可能性が大です。
それなら物件に近い不動産屋ならいいのではと思いますが、その不動産屋と何度も会って話せるならいいですが、ただ物件に近いという理由で電話で依頼されただけだと、難易度が高い物件を任せるには不向きです。
やはり、こういった不動産を専門に扱う会社が望ましいです。
そういった専門会社のサービスはこれまでの不動産屋の売買、仲介のサービスとは別物と考えた方がいいです。サービスの内容が違うので課金体系も違います。
そんな会社に知ってるとこなんてないよ、という方が大半でしょう。
それなら私(筆者)がやりますよ、と言いたいところですが、
どうしても東北在住の方(物件は東北でなくても可ですが受けられないエリアもあります)に限られます。
一応、知り合いの業者が全国対応しています。
株式会社KLC
他にも少しずつ増えてきているようですので探してみましょう。
負動産問題に取り組むということは”自分のルーツ”を見つめ直すこと
ある方が言っていたのですが、「マイホーム購入時には自分や家族のこれまでの生き方、これからの生き方を見つめ直すことになる」と、
それと同じことが負動産問題にも言えます。
ただ、負動産の方がよっぽどディープです。
苦しい時代を生き抜き、気付いたらすでに老いが迫り、入院や介護、そして最後には一人で死んでいった親の人生をどう自分の中で受け止めるか、
親の人生を考えると結局は自分自身をも見つめ直すことになり、
その作業の過程でこれまで無意識的に掛けていた蓋をいくつも開けることになります。
楽しい作業ではありませんが、いつかは向き合い決着を付けなければなりません。
これまで負動産に手を付けられなかった方や手を付けたものの途中で頓挫してしまった方、改めてチャレンジする際に参考にしていただけると幸いです。
shiro-shita
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