アパートにも修繕積立金

不動産知識・テクニック

「安い賃料のためにこんな高いリフォーム費用払えない!」とならないためにアパートオーナーにも修繕積立金の考え方が必要 ​

長年住んでいた賃借人が退去、感謝すべきなのに、リフォーム費用に真っ青

居住期間10年超となると、どんなに室内をキレイに使用していたとしてもクロスやクッションフロアといった表層材の全交換はもちろん、仮に不具合はなくとも時代遅れになったキッチンや洗面化粧台等の設備を交換しないと、部屋が次の入居者が決まる商品になりません。

それで、リフォームの見積りをとってみると100万を超えるなんてザラなわけです。

そこまでリフォームしても賃料は上がるというより、同じか下がるということの方が多いでしょう。

オーナーはだいたいこう言います。
「家賃○円の部屋に100万かぁ、●年ただで貸すようなもんだ…」

それに対してアパートを管理している不動産屋は、
「リフォームをしないと次の入居者決まりません、2年放置した後にリフォームするなら今した方がいいですよ」

みたいな不毛な応酬を延々と繰り返します。

 
最も正しい理解としては、退去した入居者が払っていた賃料にはリフォーム費用相当分が含まれていたということですが、どうしても既に利益として申告・納税までしているとその賃料が過去のものと思えて払うのがためらわれます。

アパートでも修繕積立金をストックしていく

こういう不毛な議論を避けるためにはアパートの長期修繕計画を立てて、毎月一定額を修繕積立金としてストックしていくことです。

修繕積立金といっても不動産所得上の経費とならず、利益として課税された上に、実際にリフォーム費用を払った場合に、大規模なリフォームだと資本的支出として全額払い済みでも償却資産扱いをされてしまうこともありますが、あくまでも自分の中ではの話です。

不動産は通常は新築して数年はリフォーム費用がほとんどかからないものですが、築年が経つに伴い増加していきます。

築年が浅くても長期的に見て必要なリフォーム費用を割り戻して修繕積立金をストックしていけば、急な退去に慌てることもないでしょうし、逆にリフォーム費用が想定より安く済めば得した気分になります。

 
なお、区分所有マンションを投資目的に保有している場合は管理組合に毎月修繕積立金を支払うことになりますが、そちらはあくまでも共用部のものなので、専有部分の修繕積立金を独自に設定して積み立てていくべきでしょう。

The following two tabs change content below.

shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

不動産融資監視強化 ​金融庁が不動産融資監視強化 サラリーマン投資家にとどめ 地銀もついにビジネスモデルを改めるか ​前のページ

共有持分の買取が流行りだしている 共有関係に悩む人には渡りに船なのか? ​次のページ共有持分の買取

ピックアップ記事

  1. 不動産向け融資が凍結されている今、「しょっぱい不動産投資」で糊口を凌ぐ

  2. アパート1棟買っちゃいました ~個人的不動産投資談①~

  3. 大家・管理者のための入居審査の勘所

  4. 不動産管理業はこれから厳しい!?将来誰も不動産管理してくれなくなる前に”アセット…

  5. 祖父の愛したゴミと不動産①

関連記事

  1. コロナショックでテレワークに適した理想的アフターコロナ住宅をお得にゲットできるか!?②
  2. 不動産知識・テクニック

    アパート・マンション自主管理マニュアル②「入居者クレーム対応」

    第2回は入居者からのクレーム対応についてです。アパート・マンシ…

  3. コロナショックでテレワークに適した理想的アフターコロナ住宅をお得にゲットできるか③
  4. 住まいプランハック 持家編

    不動産知識・テクニック

    住まいプランハック 【持家編】

    マイホームを人生最大の買物にしないで快適に住むことはできるか?多く…

  5. 不動産売却のチェックポイント動産の扱いについて

    不動産知識・テクニック

    不動産売却のチェックポイント4 室内外の動産ってやっぱりゴミなの!? ​

    引き続き不動産売却のチェックポイントについて記載します。<第1…

  6. 刑務所出所者への賃貸住宅を前向きに考えるためには②

    不動産知識・テクニック

    刑務所出所者の賃貸を前向きに考えるためには②

    斡旋には関係各所の協力とオーナーへのメリットが不可欠前回、出所者の…

  1. 土地の所有権を放棄したい時に放棄できる制度 ​

    個人的なはなし・意見

    土地の所有権を放棄したい時に放棄できる制度 放棄された土地は国が有効活用? ​
  2. 売り手自らが不動産を主体的に売却するための「現状分析」の仕方

    不動産知識・テクニック

    売り手自らが不動産を主体的に売却するための「現状分析」の仕方
  3. こんなアラフォーはアウト

    個人的なはなし・意見

    不運のアラフォー世代は自分の老後のためにまだまだ活躍しないといけない それなのに…
  4. これを読むと不動産業界では働きたくなくなる!? 不動産会社での雇用・労働の実態とは…

    ダメな不動産

    これを読むと不動産業界では働きたくなくなる!? 不動産会社での雇用・労働の実態と…
  5. 個人的なはなし・意見

    無意識に溜まる感情や記憶の在庫を一掃する方法
PAGE TOP