薄々気付いてはいたものの不動産投資の残念な真実①

不動産知識・テクニック

薄々気付いてはいたものの不動産投資の残念な真実①

不動産投資をはじめようと意気込んでみてもなかなかスタートできないのはなぜか?

将来の不安がない人というのはこの時代では稀有な存在です。

その不安の最大要素は“お金”です。

年金制度は自転車操業状態で存続自体に疑問符が付く上に、仮に自分が年金を貰える年齢まで存続していたとしても年金だけでは生活を賄えません。

片や企業は終身雇用、年功序列といった制度を改め、昨今は大企業も副業を認める方向になりつつあります。

要は、自分の身は自分で守れということです。

 
そんな中で多くの人が注目しているのが不動産投資です。

「金持ち父さん貧乏父さん」に端を発し「サラリーマン大家」も一時期トレンドワードでした。金融機関から融資を受けるテクニックやレバレッジをきかせて2棟、3棟と増やしていくノウハウについてのセミナーって以前はよくありましたよね。
(以降、「不動産投資」を“本業が別にある人がその社会的属性を利用してローンを借りて中古の賃貸用不動産を購入し運用する”狭義の不動産投資の意で用います)

 
ただし、不動産投資に興味あるとか始めようとしている人に対して、実際に投資用不動産を購入した人はぐっと数が絞られます。「やりたい」と「やってみた」の間に壁があるのです。

その壁を超えられずに多くの人がくすぶっています。

 
なぜでしょう?

 
その理由は不動産投資のビジネス領域を正しく把握できていないからなんだと思います。

不動産投資に踏み出せないジレンマ

「やりたい」と思っている人のほとんどがまずは物件探しでつまづきます。

いい物件がないのです。

 
立地が最重要ですが、駅まで徒歩20分以上やバスを使わなければならないものがほとんどで、

郊外でもファミリータイプの間取であればいいのですが、1Kや1Rの単身用で、

それで築年数が20年以上ともなると今後の賃料水準はかなり弱含みとなり入居者の属性悪化も想定され、

さらに雨漏れや給排水管の不具合がいつ起こっても不思議ではありません。

 
不動産投資のための勉強をするほどかえってリスクに敏感になり尚更にそういった物件に手を出せなくなります。

 
 
それでも、リスクがありながらも他にいい物件がないし、もしかしたら値引交渉できるかもしれないしと思って、融資を受ける金融機関に相談すると、

はっきりと断られないまでも無理筋な融資条件を提示されます。

 
担保評価が低いので融資額が抑えられ多額の自己資金が必要だったり、

築年がそこそこいってて融資期間が短いため当初のローン返済額が多くキャッシュアウト(物件の収入でローン返済を賄えない)したりします。

 
融資条件をクリアするためにはもっと築年の浅い利回りが高い物件を探さなくてはなりません。

 
 
それでも諦めず金融機関の融資条件に合った物件を探しますが、

今度は辺境の地の物件と遭遇します。

果たしてこんな立地で不動産投資が成り立つか謎ですし、将来的に出口戦略はおろか損切りで売却することすら難しいように思えます。リスクを一つ一つ分析していけば何とかなる可能性もありますが、分析するにもエリアに取引事例が少なくて参考になりません…。

 
 
このように不動産投資を始めようとすると、

いい物件がない→物件の条件を緩和してみる→融資条件を満たさない→融資条件に合った物件を探し直す→物件があってもまた別の意味でリスクフル

といった壁にぶち当たりがちです。

 
それは物件の探し方が悪いとか、物件を活かすノウハウが不足しているということもあるのかもしれませんが、

圧倒的な理由としてはそもそも不動産投資は高い要件を満たさない限りビジネスとして成立しないからです。

不動産投資ってそんなに難しいのでしょうか?
(次回に続く)

The following two tabs change content below.

shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

賃貸住宅で失敗しない間取の見方③賃貸住宅で失敗しない間取の見方③前のページ

薄々気付いてはいたものの不動産投資の残念な真実②次のページ薄々気付いてはいたものの不動産投資の残念な真実②

ピックアップ記事

  1. 不動産向け融資が凍結されている今、「しょっぱい不動産投資」で糊口を凌ぐ
  2. 大家・管理者のための入居審査の勘所
  3. これを読むと不動産業界では働きたくなくなる!? 不動産会社での雇用・労働の実態と…
  4. 不動産管理業はこれから厳しい!?将来誰も不動産管理してくれなくなる前に”アセット…
  5. 祖父の愛したゴミと不動産①

関連記事

  1. アパートにも修繕積立金
  2. 古アパート&古貸家が陥りやすい問題とは? ​
  3. 不動産賃貸業で向き合わなければならない本質的なこととは?

    不動産知識・テクニック

    不動産賃貸業で向き合わなければならない本質的なこととは?

    不動産賃貸業は貸室の魅力を高めることを追求し続けるビジネス 不動産…

  4. 販売は住みながら? 空家にしてから?

    不動産知識・テクニック

    不動産売却のチェックポイント6 販売は住みながら? 空家にしてから? ​

    引き続き不動産売却のチェックポイントについて記載します。<第1…

  5. 相続対策の第一歩が踏み出せないワケ

    不動産知識・テクニック

    進まない相続対策に様々なギャップあり ​ 相続対策の第一歩が踏み出せないワケ

    誰しもがいずれは何らかのかたちで当事者になる相続。相続で莫大な…

  6. 負動産問題は挫折する!?

    不動産知識・テクニック

    負動産問題に手を付けても途中で頓挫するのは何故!?

    そもそも手をつけたくない負動産問題。何とか手を付けてもこれでもかとネガ…

  1. 働き方改革とオジサン① オジサンはこれまで頑張ってきたから働き方改革をしなくてもいい!?

    個人的なはなし・意見

    働き方改革とオジサン① オジサンはこれまで頑張ってきたから働き方改革をしなくても…
  2. 自分探しの旅の末に発見した

    個人的なはなし・意見

    自分探しの旅の末に発見した不都合でしょぼい自分
  3. 相続税取得費加算の特例

    不動産知識・テクニック

    相続税を支払った人もこれで少しは気が軽くなる!?「相続税取得費加算の特例」 ​
  4. 地元小企業なら自分らしく働けるのか?

    個人的なはなし・意見

    大会社勤務に疲れたら地元の企業で自分らしく働いてみる!? ①地元小企業のいいとこ…
  5. 不動産知識・テクニック

    アパート・マンション自主管理マニュアル⑥「滞納者への督促・回収」
PAGE TOP