薄々気付いてはいたものの不動産投資の残念な真実②

不動産知識・テクニック

薄々気付いてはいたものの不動産投資の残念な真実②

不動産投資はなぜ難しいか?

<前回の記事>薄々気付いてはいたものの不動産投資の残念な真実①

不動産投資をはじめようと意気込んではみたものの多くの人がスタート(購入)すらできないジレンマに陥ってしまうのはなぜでしょう。

それは不動産投資は高い要件を満たさない限りビジネスとして成立せず、その成立領域(ビジネスゾーン)はイメージを膨らませていたような前向きで安定的なものではないからです。

(※本文では「不動産投資」を、“本業が別にある人がその社会的属性を利用してローンを借りて中古の賃貸用不動産を購入し運用する”狭義の不動産投資の意で使用します)

不動産投資と競合するビジネスとは?

不動産投資の真実に迫る上で、まずは不動産投資と競合するビジネスの概要をみていきましょう。

競合ビジネス1 遊休地活用

遊休地活用には相続税対策と完全なる遊休地活用があります。

相続税対策では、更地だと相続税が多大に掛かるので賃貸用不動産を新築して相続税評価を下げます。

なので大前提は相続税評価を下げることであり、収益性は副次的で、たいていはその建設される賃貸用不動産は相続発生後に引き続き相続人が保有することになるので高利回りよりもキャッシュアウトしない範囲(建物のみの融資なのでよっぽどでなければ大丈夫)で長期保有に適した安定重視のプランが採用される傾向にあります。

遊休地活用では、そのままだと収入を生まず固定資産税等の維持費が掛かるだけの土地を従前より良い資産状況にするのが目的です。

郊外だと相続税評価が低く相続税対策の必要はありませんが、そういう立地だと賃料もあまり取れないのでわざわざ新築しても低利回りですが、従前(遊休地)が無収益であればやる価値があります。

やはり長期保有が前提なので無理のないプランになります。

競合ビジネス2 資産形成

資産家や企業が土地を取得して賃貸用不動産を建設することがありますが、その目的の一つは資産形成です。

いくつか不動産を保有している資産家・企業は通常は将来的に優良なものを残し、不良なものを整理していくので、よい土地が出れば喫緊の必要性がなくても取得することがあります。

その場合、ただ放ったらかしにするのは合理的ではないので自用を含めその土地の最適用途を検討し賃貸用不動産が建設されることもあります。

状況に応じて「持って良し」「売って良し」が望ましいので将来的にお荷物になるような無理のあるプランはあまり採用されません。

競合ビジネス3 転売

土地を取得してアパートやマンションを建設しそれを投資家に売却してキャピタルゲインを得ることを事業としている不動産会社は結構います。

土地の取得には建売メーカーや同業他社、一般個人等と競合するのでそれなりの値段を付けなければ買うことができませんが、新築するアパート・マンションもそれなりの収益性がないと投資家に売れません。

多少は無理があっても利回りを最大化したプランが採用される傾向にあります。

転売物件購入者の大半はその転売物件の売主が設計した計画に沿って投資運用しますが、ほとんどの物件は新築でローン期間が長くてもローン期間中はキャッシュフローは僅かです。

将来ローン完済後に年金替わりになることが謳い文句で、高い収益性は目指されていません。
(無理があるプランにつき途中で賃料が下落する恐れが高く、そうなると僅かなキャッシュフローは逆ザヤに転じることになります)

不動産投資のリアル

そのような競合ビジネスに対して不動産投資は、

遊休地活用、資産形成、転売目的で作られた賃貸用不動産のうち途中で売却されるものをローンを使って土地ごと購入し、物件の正味収益(賃料ー維持経費)をローン返済額より上回らせた上で、将来的な売却をして投資期間相応のリターンを得るというビジネスです。

「正のキャッシュフロー」&「最終的に相応の利益」が必須です。

正のキャッシュフローのためには、中古で建物価格が安くなっているとはいえ、建物の築年数が経っている程ローン年数が少なくなり当初の返済額が高くなるので、築浅でかつ価格が安く利回りが高くなければなりません。もしくは相当額の自己資金が必要です。

最終的に相応の利益のためには、中長期間収益を保ち、それなりの価格で売れなければならないので、立地やプランが悪くこれから賃料が下がり修繕費が掛かってくる物件ではいけません。

要は不動産投資は競合ビジネスよりもオプションが限られる中で高収益を維持しないと成り立たないのです。

それはもちろん容易なことではありません。
(次回に続く)

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shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

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