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薄々気付いてはいたものの不動産投資の残念な真実③

不動産知識・テクニック

薄々気付いてはいたものの不動産投資の残念な真実③

よっぽどの勝負師でなければ不動産投資を勝ち抜けないという真実…

不動産投資の高い成立要件

<前々回の記事>薄々気付いてはいたものの不動産投資の残念な真実①
<前回の記事>薄々気付いてはいたものの不動産投資の残念な真実②

実は不動産投資のビジネスとしての成立要件は高く、イメージしていたような楽で安定したものではないものです。

不動産投資の難しさを詳述します。

(※本文では「不動産投資」を、“本業が別にある人がその社会的属性を利用してローンを借りて中古の賃貸用不動産を購入し運用する”狭義の不動産投資の意で使用します)

不動産投資の高いビジネス成立要件1 物件取得がむずかしい

不動産投資では自ら新築しないので第三者に中古で物件を供給してもらわないとなりませんが、

競合ビジネスのプレーヤーが築造する賃貸用不動産は、

遊休地活用、資産形成での物件は主要目的が別にあり、利回りは副次的なのでそもそも利回りが高くありませんし、

転売目的での物件は新築でも無理のあるプランだったりするので中古で購入してなお将来も安定的なのはほぼ皆無です。

 
また、売却されるということは、

①当初の投資目的を達成した利益確定の売却
②もっと良い資産に組み替えるための売却
③ババ化する前、もしくはすでにババ化しているための売却
④当初からの予定変更の売却、キャッシュが必要orローン返済不能

①〜③は違う理由のようですが、どれも保有するメリットに対して、売却するメリットもしくは保有するデメリットが上回った状態と言えます。

④は売却せざるを得なくなったのですが、キャッシュが必要であれば残債と同額程度で売っては手残りがありませんし、返済不能に陥っても破産等でなければ残債は返済しないとなりません。なお、仮に破産等で完済しない場合でも、現在の金融機関(債権者)のスタンスとして不動産を相場以下で売ることはしません。特に優良な物件であれば引く手数多で流動性が高いことを金融機関は承知しています。

 
つまり、売却される物件のほとんどは賞味期限切れであり、数少ないそうではない物件も理論上は安く買えないのです。

ビジネス成否の肝となる物件取得は外部要因頼みとなり、特に不良債権処理という言葉すら聞かなくなった現在ではより困難さを増しています。

不動産投資の高いビジネス成立要件2 融資条件がトレードオフ

もう一つのビジネスの肝である、金融機関からの融資ですが、できれば低金利で長期のフルというか諸費用分もオーバーローンしてもらうのが望ましいですが、そんなローンを引けるのはよっぽどの資産家だけです。

物件が築浅であれば長期融資にはなりますが、価格が高いので多くの自己資金が必要です。

物件が築古で安ければ自己資金はあまり必要なくても、短期融資になるのでキャッシュアウトしやすくなり、正のキャッシュフローを得るには多くの自己資金が必要です。

 
また、社会情勢によって金融機関の融資スタンスは大きく変わります。

基本は、

好景気だと融資が出やすくなりますが、物件価格と金利が高くなります。

不景気だと融資は出にくくなりますが、物件価格と金利は低くなります。

 
好景気なりのやり方、不景気なりのやり方があるのでそれ自体に問題はありませんが、

現在の日本は、融資は出にくいが、物件価格が高い状態です(金利は低い)。

今は不動産投資には向かない時期なのです。

不動産投資の高いビジネス成立要件3 入居者獲得競争では劣勢

御存知のように日本は人口減少社会を迎えていますが、そんな中で、相続税の基礎控除が下がり相続税対策で賃貸用不動産が大量供給されたことで入居者獲得の難易度は上がっています。

入居者獲得のために内外装リフォームしたり、敷金をなくしたり、賃料を安くしたり、不動産会社に払う広告費を増やしたり、各社様々な対策をしていますが、

それらの対策は基本、費用が増えるか、収入が減ります。

土地建物丸ごとローンで買っている不動産投資は、遊休地活用といった競合するビジネスより損益分岐点が高いので、そのような体力勝負には不利となります。

 
また、入居者のうち前のオーナー(売主)のときから長年に渡り住んでいる人が退去すると、通常使用の範囲でも内装をほとんどリフォームしなければならないのが通常です。その原状回復費用は入居者が長年に渡り賃料に含めて払っていたと見做され、大半は前のオーナーが受領したので、新オーナーには痛い出費となります。

しかも、そういう入居者は築浅の賃料が高い時に入居しているので、多額のリフォーム費用を払っても現行の募集賃料は以前を下回るはめになったりします。

不動産投資は永遠の挑戦者

つまり、

「他の投資家が見限った物件の中から」

「相反する条件を満たした物件を探し」

「遊休地活用や資産形成といったもっと利幅のある投資をしている人と競合しながら入居者を獲得していく」

それが不動産投資なのです。

 
よっぽどの勝負師でなければ勝ち残れないビジネスです。

 
駅まで遠くて、

間取りが狭くて、

競合物件が多くて、

 
そんなの当たり前なのです。

そんな問題山積の物件をローンだけではなくそれなりの自己資金を投じて購入して、何とか知恵を絞り偶然を味方に付けて賃料収入を得て、さらに結構な価格で売り抜いていくのが不動産投資というビジネスです。

長年大家業をやっているものの不動産会社任せで自分ではほとんど何もわかっていない素人大家の一瞬の隙を突いてゲリラ戦を制するのです。

リスクを負わないで何でも完璧主義な人にはそもそも無理です。

そこが不動産投資が成立するビジネスゾーンなのです。

不動産投資はさらにハードルが上がって事実上新規参入不可に

そんな高難易度な不動産投資ですが、

金融庁が地方銀行の不動産担保ローン頼みの経営を問題視したことより、金融機関の不動産融資は軒並み厳格になり、さらに難しくというか、事実上、不動産投資への新規参入は不可能になってしまいました。

 
融資なしで小さく行うか、もしくはプロ並みの資金力を持つ必要があります。

……。

 
 
 
ただし、今はそうでも時代は巡り巡るはずです。

資金とノウハウを養って次のチャンス到来を待ちましょう。

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shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

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