不動産業界の雇用・労働環境は不毛だが、日本の企業全体が不毛な環境に陥りつつあるって話

ダメな不動産

不動産業界の雇用・労働環境は不毛だが、日本の企業全体が不毛な環境に陥りつつあるって話

前回の記事で不動産業界の不毛な雇用・労働環境について記載しましたが、
<前回の記事>これを読むと不動産業界では働きたくなくなる!? 不動産会社での雇用・労働の実態とは…

近年はその不毛な波が多くの日本企業に押し寄せているように思えます。

日本社会で増大する雇用のジレンマ

現在は日本の企業の多くで働き手不足が問題となり、働き方改革や外国人受け入れが進められている訳ですが、抜本的な解決は難しいでしょう。

働き手不足は少子高齢化による生産年齢人口の減少が最大の原因ですがそれだけではありません。

むしろ、多くの企業で雇用・育成が八方塞がりの状況になりつつあり、その問題の一部が働き手不足として表面化しているように思えます。

日本の職場で起こっていること

例えば町工場の熟練工みたいな仕事は、習得するまでに時間を要するので会社としては採用後しばらくは不採算ですが、潰しが効きにくい技術なのでかえって人が定着し、彼らに年功序列、終身雇用を約束することで会社も安定、個人も安定してWINーWINの関係を築けてこれました。

従業員は子供3人くらい育て上げる余裕があり、コミュニケーション下手だったり、妻子に手をあげるようなことがあっても、手に職がついた頑固オヤジとして尊敬されて生きることができました。

しかし、今ではいつロボットに代替されるか、それとも発注元の意向で大量生産の汎用品に切り換えられるかわからない仕事です。それにブルーカラーは世間から決して好評価を受ける訳ではなく、それは合コンに参加するとよくわかります。どちらかというと3Kに見做されます。

逆にホワイトカラーもこれまでは経理や総務や人事といった部署で人が管理していた業務がソフトウェアに移行し、そのソフトも少し前まではシステムエンジニアの会社に独自に組んでもらう必要があったものが、今では無料のオープンソフトですら性能が高く十分対応できたりします。

外部のコンサル会社の手法を取り入れたりすると、その会社の強みは伸ばされるものの、それ以外の部分はスリム化、効率化され、結果的に多くの企業の組織体が似通ってきます。

まさに八方塞がりな状況

今はどんな技術も機械に代替されかねませんし、どんな知識もオープンソースに埋もれてコモディティ化しかねません。

こんな時代に価値を保ち続けることができる人材は、トップスキルを有し、それがコモディティ化する頃には別のトップスキルを獲得して、そのいたちごっこを永遠に制し続けるような人です。

それはよっぽど優秀な人だけで、町工場に勤める頑固オヤジや経理畑を歩んだ几帳面オヤジはこれからの時代はプライドを保つのが難しいでしょう。

しかし、そのようなよっぽど優秀な人はごくごく限られており、その他のそこまで優秀ではない普通の人をうまく活用することが企業の採用・育成に求められますが、

様々なスキルのオープン化、コモディティ化が進行する中でどんな従業員教育をすればいいのかわからない上に、年功序列も終身雇用も過去の遺物となった時代に従業員をつなぎとめていくインセンティブがなく、カッコウを育てるモズのように育て損になりかねません。

さらに、正社員は雇用規制が厳しく、教育投資がうまくいかなかった従業員の首を切ることができません。

能力がある従業員はステップアップして転職していき、そうでない従業員は会社にしがみつきがちです。

そうなるとリスク管理上企業側は思い切った採用やトレーニングができず、無難な採用基準でもって腹八分目の人数を雇用し、その他の労働力は派遣社員、契約社員で埋めざるをえません。

こういったジレンマを解消する案がない訳ではありませんが、例えば企業が行うトレーニングを大学のうちに行うことも提案されています。特に文系がほとんど社会に貢献できていない状況からすると都合がいいようにも思えますが、様々な利権、社会的な反発が予想され、変革ができたとしても10年単位の時間が掛かるでしょう。

企業側の想いに対して冷めた目

特別優秀ではない普通の人達、社会不適応者ではないし、もしかしたら大化けするかもしれないって人になかなかチャンスが巡ってきにくい状況があります。

だからといって彼らはもう3K職場やブラック企業には入ってきません。

散々悪いイメージが付いており、それは企業側の自業自得です。

彼らはあくまでもホワイトで将来性を感じられ、親や異性受けのいい仕事を選ぼうとします。

それで就職できないなら無職でいる方がマシだとさえ思っています。

今の世の中はプーでも親元に寄生したり生活保護受ければGUで服買ってGEOでDVD借りるくらいの生活はできたりします。

本来であれば人気のない3K職場は求職者が出るまで賃金が上がっていくのですが、こんな状態では賃金を上げても人が集まるかわからないし、何より賃金上げては事業が成り立たないので、外国人労働者で代替しようというのが入管法改正の狙いです。

ただし、法律が成立しても付け焼き刃的な対応なのでまたすぐ問題にぶち当たるでしょう。

このままでは日本の企業全体が不動産会社のような不毛な状況に陥る

このように、

企業側では、人を育成できない、育成しても転職されて無駄になる、ごく一部のできる人以外が活躍できる状況にない、

逆に働く側からすると、この会社で働いても将来を見出せないという悪循環にありますが、

不動産業界がかなり前からその状態に突入しているのです。

そして、不動産業界はそこから抜け出すことはおろか、業界の地盤沈下を起こしながら今に至っています。

このままいくと日本の企業はジリ貧なのではないかと思う今日この頃です。

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shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

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