生産緑地法の2022年問題

そのほか

生産緑地法軽減措置終了による2022年問題 とはいえ、そんなの様々ある下落要因の一端 ​

2022年問題って?

不動産業界で危惧されていることの一つに2022年問題というものがあります。

2022年問題というのは、生産緑地法により生産緑地指定された土地への固定資産税、相続税の農地並み軽減措置が終了し、それらの土地に一斉にアパートを建てたり、売りに出されることで、需給ギャップが生じ、値崩れするというものです。

 
2022年には一大国家プロジェクトである東京オリンピックもすでに終わっており、平成バブルを謳歌した団塊世代も介護施設に入ったり、相続が発生したりして、彼らの住まいだった土地建物のうち一定数が売りに出されるでしょう。

そんな中、

生産緑地法指定切れの大量の売地、貸地、貸アパートが供給されれば、

不動産相場は軒並み下落し、企業は保有不動産の評価損で赤字転落が続出し、株価の下落、税収減が生じ日本の凋落は決定的になる。

 
というのが想定される最悪のストーリーです。

 
ところで、宮城県内ではどれくらいの生産緑地指定があるでしょうか?

ゼロです。

東北地方全体でもゼロです。指定のほとんどは大都市圏です。

 
もちろん、大都市の不動産価格は下がるけど地方は下がらないということはありえないので、2022年問題が現実になれば少なくとも間接的には影響は受けるでしょうが、2022年問題に特化した対策が必要かというとそうではないでしょう(生産緑地の所有者や相続予定者以外は)。

問題の本質は様々な下落要因の中でどう不動産経営するか

ただし、2022年問題がなくても日本、特に地方は不動産の将来は明るくありません。

上位15%の不動産以外は今の資産価値を維持できないと言う人もいます。

これまで特に何もしなくても資産価値を保っていた土地、高い入居率を保っていたアパートがこれまでの資産価値、入居率を保てなくなりますし、コンパクトシティ化により切り捨てられる地域もあります。

 
当たり前ですが、時流に合った対応をしていかないと不動産の資産価値、不動産からの収益は保てません。

さらなる経営努力や見切り(売却)のため意識を高めていく必要があります。

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shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

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