なぜ高齢者の賃貸物件入居が進まないか
少子高齢化が進む中、相続税対策用のアパート、投資用シェアハウスと貸室が過剰に供給されて需給関係に歪が生じていますが、
半面、高齢者を受け入れる賃貸住宅は相変わらず不足しています。
国土交通省が高齢者等の住宅確保要配慮者に賃貸住宅を確保するよう登録制度を創設する等の対策を打ち出していますが、今のところ状況は大きく変わっていません。
そもそもなぜ高齢者を賃貸住宅に受け入れることは憚られるのでしょう
しかし、考えてみると上の3つは発生率が相対的に高いだけで他の世代でも起こりうることです。
しかも、どのくらい発生率が高いか統計がある訳ではありません。あくまでも大家と不動産会社の感覚的なものです。
確かに多いような気はしますが、そのことですべての高齢者を悪いイメージで見てしまい、4つ目の世の中の価値観を作ってしまっているのです。
賃貸物件に高齢者を前向きに受け入れるには
とはいえ、いずれはこの問題は解決するでしょう。
今は高齢者の入居を断っていても、少子高齢化の中でこれだけ賃貸物件があるのですから、否が応でもいずれは高齢者に借りていただかないと成り立たなくなるでしょう。
世の中がレベルダウンしていきどこかで釣り合うのです。
でも、できれば、そんな悪循環の末の妥協の産物ではなく、来たるべき変化に対し前向きに準備したいものです。
では、どのように前向きに高齢者を受け入れていくか。
それは物件の特性やオーナーの考え方により様々ですが、
何もバリアフリー工事の実施や食事の提供等で高齢者向けであることを積極的に謳っていくことだけではありません。
物件はそのままで、
募集条件や入居審査の方法を改めたり、契約約款の変更をしたり、最近増えてきた家賃保証会社の高齢者向け補償サービスや高齢入居者のリスクを付保する少額短期保険を利用するくらいが現実的です。
ハード面ではなくソフト面から。
これまでの入居審査では問題入居者を選別できない
特にこれまでの入居審査は実態と合わなくなっている面が多いです。
現在仕事をしていないと審査面で非常に不利となります。
これまで40年間仕事をして今は年金暮らしですが預金残高はこれくらいありますって人より、
転職を繰り返し借金もありますが、新しい仕事の内定をもらいましたって人の方が優先されるのです。
滞納リスクが高いのは明らかに後者ですが。
前者が何なら家賃2年分を前払いしましょうかといっても断られたり。
意識を変えることが一番大切
これまで高齢者、生活保護受給者、障害者を腫れ物を触るように扱ってきたので、不動産会社の店頭で門前払いか、消極的な対応しかされず、そのような方々の声がオーナーにも届かないでいました。
仮に入居しても、お互いの理解不足からトラブルが発生しやすく、今後の入居を断る悪循環が発生していました。
しかし、これからは高齢者に借りていただかないと大家業が成り立たない時代となります。
まずは意識を変えていき、様々な入居者層に対応できるよう、より実情にあった入居審査や、リスクヘッジの方法を考えていかなければなりません。
shiro-shita
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