私は下記条件にてポータルサイトで検索しました。
・仙台市及び近郊都市
・価格5000万円以下
・築25年以内
・表面利回り8%以上
ただし、これらは購入ラインではなく単なる足切りラインで、これをパスした物件を個別に選定しました。
というか足切りライン低いです。もっと条件を上げれば物件が絞られ労力も削減できますが、私は不動産業者で表面にあらわれない不動産の価値を見る目があり、何といっても多くの物件を見て回る暇があったからです(仕事をしている気になれる)。
個別選定では下記を総合的に判断します。
・反復継続的に入居者を獲得できる立地、建物(間取・設備)か
・修繕の必要性とその概算予算はいくらか
・現実的な賃料・稼働率を設定した場合もキャッシュフローが生じるか
・出口戦略を更地売却とした場合にいくらで売れるか
これらは≒(ニアリーイコール)銀行融資の対象になりえるということです。築年、立地、利回り、想定される稼働率がそれなりで、融資返済中もキャッシュフローがあり(私の場合は僅かですが)、最終的に残る土地の価値(=担保価値)が十分ある。
銀行融資ありきで購入する以上は銀行の考え方は無視できないというかそれが大前提になります。私の場合は一発で審査が通ったので銀行目線で物件を探すってほどではありませんでしたが、銀行とやり取りしながら自分の投資の方向性と投資理論を構築するというフェーズをほとんどの投資家が通るものです。
候補に残るのは、ほぼほぼ郊外にある耐用年数が切れるか切れないかのアパートです。
理想は築浅で利回りが高く地価が上昇して含み益も出るものですが、現実的にそんなもの今の不動産市場でありえません。
私の投資対象は郊外よりのミドルエイジアパートでしたが、今の不動産市場からみて現実的な投資対象は下記のようなものだと思います。
築古RC(鉄筋コンクリート)マンション
RCは耐用年数が長いので築古でも融資期間をそれなりに引っぱれます。ただし、アパートとくらべ土地建物が大きく築古とはいえ価格が高いので、フルローンが難しい場合は多額の頭金がハードルとなりますし、大規模修繕リスクも高いです。
築浅RCだと融資期間・融資割合も多く取りやすいですが、利回りも低いのでキャッシュアウトしがちです。利回りの高い地方の築浅RCを狙う手法もありますが、とりあえず私は自主管理可能なエリアに限定しました。
築浅アパート
築浅であれば融資は組みやすいです。ただし、新築や築浅で売りに出されている物件は、もともと土地を持っている人が建てたアパートではなく、ほとんどが建売アパートであり、表面利回りを上げるために様々なこと ー 極小間取り、駐車場がない、土地が狭い、日照が悪いetc…を犠牲にしています。築年の経過とともにいずれ入居に苦労することが明白であり、かつ、土地としての価値が低いので更地売却した場合の価格も伸びません。言ってしまえばババ抜きで、ある程度の賃料収入を得たら次の人に押し付けなければいけませんが、将来売り抜けるかは市場次第というか運任せで、投機色が強いです。
ボロ雑巾
建物は耐用年数をはるかに超え、しかも郊外だったり擁壁に囲まれていたり土地の価値も低く、それゆえ激安高利回りで数年しのげば元は取れます。私は不動産業者なのでこういった物件への対応力も一般の方よりは高いですが、今回は融資を利用して、それなりの規模のそれなりの安定性がある投資を行うことがテーマなので見送りました。
「オレが求めているのはそんなしょぼい物件ではなく立地&建物&利回りすべてよしの物件だ!」
って人もいると思います。もちろん理想の物件を追い求めるのは否定しません。私とは投資スタンスが違うというだけです。
私にとっては”今”が重要なのです。
不動産投資家界隈では恐ろしくハイスペックな物件を所有している方がたくさんいますが、それはホリダシ物を探す粘り強さの賜物というより、そういうスペックで売りに出される時代に購入したからだと思います。
不動産投資の究極の必勝法は、いい時代に購入していい時代に売ることです。
しかし、いい時代は数年で巡ってくるとは限りません。場合によっては数十年掛かります。
今がいい時代とは言えないように思いますが、だからと言って私としては数十年待ってられませんので、今できることをやらざるをえないのです。
shiro-shita
最新記事 by shiro-shita (全て見る)
- 弊社の第6期が終了しました - 2024年11月18日
- 【解説】負動産の処分プロセス - 2024年11月1日
- 【解説】不動産賃貸のプロセス - 2024年10月28日