貸し手

アパート・マンション自主管理マニュアル⑤「管理業務支援ツール」

第5回は管理業務を支援するツールについてです。

アパート・マンション自主管理マニュアル①:入居者からの連絡受付体制
アパート・マンション自主管理マニュアル②:入居者クレーム対応
アパート・マンション自主管理マニュアル③:非常時体制
アパート・マンション自主管理マニュアル④:入金管理

管理業務支援ツールあれこれ

管理業は細かい業務を同時並行的に進めていくことが多く、また金銭面での間違いは絶対に許されないので、属人的な能力・記憶に頼らずテクノロジーをうまく利用すべきです。

このことは日本全国の不動産会社共通のことなので、その需要を取り込もうと管理業務の支援サービスは結構あります。

ダンゴネットの賃貸名人、日本情報クリエイトの賃貸革命とか業界では知らない人はいません(多分)。アットホームといったポータルサイトに不動産テック企業も横展開で市場参入し、不動産会社の囲い込みにしのぎを削っています。

 
ちなみに弊社は「ReDocS」というサービスを利用しています。

ReDocSはライトプラン月額3000円程度で、料金的には業界最安水準ですが、弊社のように小規模に管理業をするには必要十分な内容です。

 
もし、複数人のチームで情報を共有し、様々なシステムと連携し、管理戸数を拡大しようと思うのであればもっと高品位・高機能な賃貸管理システムが必要かもしれませんが、

自分で所有している物件の管理だけであればReDocSの必要性すら疑わしいでしょう。

確かに不動産会社はミスばかりだが…

これから自主管理をする人は不動産会社ですら有料ツールを使用しているのに自分はエクセル(もしくは手書)で大丈夫かと不安になると思います。

 
確かに不動産会社であっても間違いまくっています。

ミスを指摘しても翌月もまたその翌月も間違いを繰り返したり、ミスを放置したまま担当者が変更・退職を繰り返し管理業務全体が九龍城と化していたりします。

 
しかし、不動産会社のサラリーマンの管理担当だから間違うのです。

他人の財産を、社内複数人で情報も責任も共有しながら業務するので主体性が欠けてしまうのです。

 
私もサラリーマン時代は何度もミスをしましたが、独立してからはミスをすると相手に迷惑を掛けるだけではなく、後処理のために何倍もの労力が掛かることがわかっているので、今のところ少なくとも金銭のミスをしたことはありません。

 
要は意識の問題が大きいですが、かといって強固な意識といった精神論に傾くのは危険です。むしろ強固な意識がなくてもミスをしにくく効率的で現実的な業務フローになるよう工夫し、そのフローを実行しながら修正を繰り返すのです。

その点、ミスばかりする不動産会社のサラリーマンは反省はしますが業務フローはそのまま繰り返します。

まずやること


具体的には、まずは入金表を作りましょう。自分がやりやすい方法でいいので、スマホで作業できるクラウドでもいいですし、紙に手書きでもいいです。イレギュラーがない限りはそれだけで管理業務として成り立つでしょう。

そのうちイレギュラーが発生するでしょうが、その都度自分なりに工夫してこなしましょう。イレギュラーだからといって専門技能が必要ということではなく、ただ面倒なだけですから。

ただし、チェックは十分に行いましょう。チェックは無意識のうちに少しずつ雑になっていくので気を付けましょう。

 
で、ここまで一通り行った上ではじめて有料ツールを検討するのがおすすめです。

ここまで引っ張るのはある程度の経験がないと有料ツールの必要性を判断する目が養われていないからです。

右も左もわからない最初からツールを導入すると、途中で解約したくてもツールに入力した情報をローカルに入れ戻す作業がとても面倒に思え無駄な課金をズルズル続ける羽目になります。

業務をするのはツールではなくあなた


管理業務支援ツールはあくまでも業務をサポートするためのツールであり、仕事できない人をできるようにするツールではありません。

しかも、管理業務はイレギュラーがなければ高品位な支援ツールの必要性はなく、チェックをしっかり行っていれば人に大きな迷惑を掛けることはないので、業務のやり方は存分に試行錯誤すべきなのです。

 
それでも最初っから有料ツールに頼ろうとする人はよもや自主管理を検討する人にはいないと思いますが、

そのような主体性の有無が数年後の管理クオリティーに如実な差を生じさせるのです。

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shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

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