地元小企業は魅力的! なのに人が集まらないのは何故?
前回の記事でブラック企業に勤めて、そこから這い上がった挙句にリーマンショックで散った顛末をお話ししましたが、
私はそこから地元の建設会社に転職しました。
社長の自宅敷地に会社があり、娘さんが会社の番頭をしていて、奥さんが経理をしている、まさに地元小企業ど真ん中でした。
なぜ、不動産の転売会社にいた私が建設会社なのかというと、
私はその会社を建設会社というより建売メーカーと捉えていました。
建売メーカーは不動産会社から土地を紹介してもらい、建売住宅を建設後に不動産会社に販売を依頼します。
転売会社で様々な不動産会社と同じような付き合いをしていたので、これまでの経験や人脈をそのまま活かせると思ったのです。
(地元小企業ではなくベンチャーやスタートアップ企業はどうかという考えもあるかもしれませんが、少なくとも仙台の不動産や建設業界にそんなカテゴリーの会社はありません)
地元小企業のいいところ
意思決定が早い!
転売会社では支店勤務だったので基本的にすべてが本社の稟議となります。私が作った稟議書が上司から支店長に、支店長から本社の担当部署に、最終的には役員会を経て社長決済されます。
時間も掛かるし、承認されるかどうかもわかりません。さらに稟議が通らなかった場合にその理由すらわからなかったりします。
特に仙台のような地方は中央に較べて不動産価格が低く、本社からするとどうしても軽んじられてしまう(ように私からは思えた)ので、その温度差もまたストレスでした。
対して地元小企業なら社長が同じフロアにいて、直接話しができます。スピーディーかつダイレクトなので、アグレッシブな判断を必要とする案件では有利に働きます。
役職や部署を超え会社の業務を担える
大手の建売会社だと土地の仕入担当と工事の担当者は分かれています。そもそも採用段階から違うことがほとんどで、営業(土地の仕入れ)、技術系(工事)で縦割であることがほとんどです。しかも、複数人でプロジェクトチームを組んで仕事をすることが多いので、主体性や個性をなかなか発揮できません。
地元小企業は担当が分かれていても、その担当ももちろん同じフロアにいますし、場合によっては両方を兼務していたりしいます。
やる気次第では何でも学ぶことができますし、自分主体で仕事を進めることができます。
自分は大切で特別な存在
大きな企業であるほど従業員一人一人に目を配ることはできません。中には大量に採用するものの1年で半分辞める企業もあります。その企業のやり方に合う人だけ残ればいいという考え方です。
対して地元小企業では人を雇用するのは結構なイベントです。稀にしか雇わず、その人がうまくいかなければすぐ次という訳にもいかないので、その人に賭ける思いは強く、心からその人が会社に馴染み戦力になってほしいと思っています。
とはいえ、今は地元小企業の人手不足は深刻!
しかし、残念ながら私の地元小企業での日々はうまくいきませんでした。
一番大きかったのは、私にとってその会社は建売メーカーでしたが、その会社としてはあくまでも建設会社であり、その会社にとって私は不動産業界の経験者ではなく、建設業界の新人見習いでした。
その会社としては今後の会社の屋台骨を支える人間になってもらいたいからこそ会社の根幹である建設業をやらせたかったのでしょうが、私は不動産にこだわったので、お互い折合いをつけることができず1年くらいで退社しました。
私が勤めた地元小企業はさておき、
今は地元小企業が人を採用するのが非常に難しくなっています。
大企業ほどの待遇・福利厚生を謳えないということもありますし、求職者も安定志向で大企業を求めます。
3K(キツイ、汚い、危険)な業界は特にです。
地元小企業に勤めていた私としては地元小企業に勤めるメリットも知っているので、本当にやる気があるなら中途半端な大企業に勤めるよりいいんじゃないかと思うところもありますが、
全体的に見ると勤めにくい地元小企業が多いのも確かです。
よくよく確認して、企業側も勤める側も納得すればよいケミストリーが生まれるでしょうが、
働いてみないとわからないといってその企業に飛び込んでみるのはオススメできません。
とりわけごく一部ではありますがひどい地元小企業が存在します。
どのような地元小企業でしょうか?
(次回に続く)
shiro-shita
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