そもそも瑕疵って何?
不動産取引における瑕疵(※現在は「契約不適合」と言います)とは、
物件引渡し後に見つかる、土台がシロアリに喰われている、地中にコンクリートガラが埋まっているといったような、欠陥、不具合のことを言います。
ただし、もともと知っていたり、一般的注意を払えば気付くものは除かれます。
瑕疵が発見された場合の修繕や機会損失に対する賠償責任は、民法では売主が負うことになっており、責任期間は発見後1年経過までとなっていますが、発見後1年だと、引き渡してから10年経過しようが、それから1年のうちに請求すればよくキリがないので、不動産取引の慣例上は別段の定めをしており、かつては消費者保護の観点が薄く、引渡し後にゴタゴタすると仲介した不動産会社も嫌なので、不動産会社主導で売主の責任を免責にするケースが多かったです(売主が不動産会社や事業者以外なら)。
というか、不動産会社が勝手に瑕疵担保責任免責で契約書を作成していました。
売主が瑕疵担保責任を負担するのが世の中の流れ
しかし、今は数千円の電気製品でも保証が付いている時代です。
高額な買物の代名詞である不動産に保証がないのでは、万が一のときに人生オワタになる恐れがあります。
それで最近は売主が個人であっても不動産商品の提供者である以上は一定の保証をすべきという風潮が高まっています。
しかし、だからといって売主が一か八かで瑕疵担保責任を負って、その期間に何もないのを祈るのはベストな対応ではありません。身の丈に合わないリスクは負えません。
どうすればいいでしょうか?
瑕疵を限定&ヘッジするには
リスクヘッジは調査と保険です。
インスペクションを受けて瑕疵担保責任保険に加入するのがベストですが、
それらはもちろん有料ですし、保険の加入にあたっては保険会社の引受基準をクリアしなければならず、物件によっては審査のテーブルに乗らなかったり、リフォームが条件だったりします。
なお、上記は建物についてであり、それ以外にも土壌汚染や擁壁の安全性等のリスクをヘッジしようとするとそれぞれ調査しなければならず、いくら売買代金がもらえるからといっても現実的にはすべての調査をしてリスクを潰すことはできません。
調査はキリがないが誰かがリスクを負わなければならない
なので、瑕疵のリスクはある程度のケアはできても、究極的にはヘッジできず、そのリスクは売主か買主のどちらかが負わざるをえません。
ゼロリスク信者の方は不動産売買は向かないのです。
その上で、現実的には、リスクをどちらが負担するのかを加味して売買価格を決めます。
売主が責任を負わないなら売買価格を下げ、逆に売主有責とするならが価格を上げます。
一律何%減(増)といった基準はないので、物件ごとに、リスクの蓋然性や売主の事情や買主の使用目的を加味して取り決めることになります。
瑕疵の負担をどうするかは重要な売買条件なので、本来は販売開始時点で条件として提示すべきで、少なくとも購入希望者が出て売買条件を決める際には売買価格と一緒に取り決めるべきです。昔の不動産屋のように何の説明もせずに契約書にしれっと書き込むのは最悪の対応です。
値引きが了承されて喜んだのも束の間、瑕疵担保責任を免責にされて多大なリスクを負わないよう注意しましょう。
shiro-shita
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