今回の融資手続きで銀行に対し2つの違和感を持ちました。
一つは銀行の闘争体質です。
融資審査で揉めたのは担当者の個人的資質とかではなく、本店審査部、支店、保証協会のパワーバランスによるようです。
審査に基準的なものはあるにせよ、時代的要請や銀行の事情をケースバイケースに加味せせるので恣意的に判断する部分があり、そこには銀行内部の人間関係、政治力、恨みつらみが影響します。
私と接している担当者や支店長は、融資NGとなれば見込み客・成績を失いますので、できれば通したいと思ってるでしょうが、
一方で通すまいとするのが本店審査部で、それは融資を精査する役割意識というか組織の体質です。
特に私のような初取引であればなおさらで、私が本承認得るために何らかの手打ちがあったのが想像されます。それがもしかしたら保証料増額だったのかもしれません。
融資審査のゴタゴタに私は辟易しましたが、支店長と担当者のそれは私の比ではなかったでしょう。
ただし、私からすると銀行内部のパワーバランスなんて知らんがなです。
というか同じ会社に似た機能が複数あるのは無駄に思えます。
合理的に整理すればスピーディーかつコストカットになり顧客サービス向上になるのではないでしょうか。
もうひとつ決定的な違和感は銀行の本質は既得権者組合であるということです。
私は銀行とは最も合理的でプロフェッショナルな存在だと思っていました。
例えば、旅行体験を売る旅行代理店や、医療行為を売る病院は、京都vsハワイ、地域に根差した小児科vs最先端の癌治療が一律に比較できないよう、サービスにおける定性的領域が大きく、そのことは差別化がしやすいとも言えます。
対して、銀行業ではお金に色はないので、違いは金額の大小や金利の高低くらいで、差別化はしにくいですが、それはルールがシンプルであるとも言えます。
ルールがシンプルなゲームをプロが行えば、プロ棋士のように徹底して合理的戦略を取るはずです。
(それだと最終的に資金力に勝るプレイヤーが一人勝ちするので銀行法によって棲み分けされている)
そんな銀行の門を叩く上では私も金融リテラシーを持ったプロの経営者として振舞う必要があると思い、自社の財務についての想定問答や、物件の投資シミュレーションやその根拠となる資料については十分準備していたつもりです。
しかし、銀行が求めているのはそんなことではありません。
銀行は下記のような顧客を求めています。
・すでに他行から融資を受けている
・資産家の家系
・参入障壁の高い(多額の資金が必要、免許制など)独占的ビジネスを行っている
要は既得権者です。
そもそも銀行自体が銀行法により守られた既得権者であり、既得権に対する脅威を排除し、既得権を永らえることが銀行のDNAです。
業界は違えどもそれぞれの業界の既得権者と利害が一致し、仲間意識があります。
対して、世の中には裸一貫から成り上がる人がいます。
そのような者に対して銀行はヨソ者的視線を浴びせがちで、
それでも、誰もが認める富裕層になれば既得権者と認定しますが、
中途半端な成り上がり者が銀行の門を叩こうものなら、銀行の仲間である”しるし”を見せろと迫ります。
しるしとは
・定期預金を積む
・投資信託や保険の購入
ハナクソほどしか金利が付かない定期預金や専業ではない銀行からあえて投信&保険を購入するメリットは金融リテラシー的にはありませんが、あえて非合理的な商品を購入し、銀行の優越的立場を認めることが”しるし”となります。
銀行のそのようなDNAは新人の扱いにもあらわれています。
花見の場所取り、酒席でのお酌の強制、忘新年会での催し、突然の転勤、社員寮での家族ぐるみの付き合い…
上司や先輩に対し”しるし”を見せることで本当の仲間と認められます。
偉そうに言ってますが、私は既得権者に寄り添うためにその”しるし”を見せたのです。
どうせなら毒食わば皿まででいかにも楽しそうにやればいいのでしょうが、私にはそこまではできませんでした。
その中途半端さが私の器の小ささを反証不可能な程に結論付けているのでしょう。
shiro-shita
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