不動産売却のチェックポイント13 決済準備は細かく面倒くさい

売り手

不動産売却のチェックポイント13 ​決済・引渡に向けた変更手続き 漏れたり忘れたり面倒くさい

<第1回>権利証・登記識別情報通知
<第2回>抵当権等の不動産に設定された権利
<第3回>完璧な隣地との境界の状態とは!?
<第4回>室内外の動産ってやっぱりゴミなの!? ​
<第5回>修繕履歴を残しインスペクションするのが最近の不動産売買の流れ!?
<第6回>販売は住みながら? 空家にしてから?
​<第7回>リフォームやホームステージングをして売るべきか!?
<第8回>売却条件の決定 価格以外で最も重要なことは!?
<第9回>不動産会社の査定書の注意点 & マユツバな会社の判別法
<第10回>売出価格決定 ダメ元で高く売り出すのはOK!?
<第11回>売却時に譲渡所得税がドカンと来る!?
<第12回>不動産売却の最後の壁は司法書士の本人確認&意思確認

不動産の決済準備は細かく煩雑で面倒くさいものなのです!

登記を買い手に移す準備が済んだら、後は最終代金受領&物件引渡しのための最終準備を行います。(以降、最終代金受領&物件引渡しを「決済」と記載します)

買い手に引き渡す書類など

決済時に買い手に下記のような関係書類を引き渡します。

  • 鍵(更地ならもちろんありません)
  • 建物の設計図面
  • 確認済証
  • 検査済証
  • 境界確定協議書
  • 賃貸借契約書(アパートなどの賃貸物件の場合)
  • 直近の法定点検の報告書(法定点検がある場合)
  • 建物状況調査書(建物状況調査を実施している場合)
  • 建物や設備の保証書(保証期間内であれば)
  • 購入時の物件パンフレット
  •  
    などなど無数にありますが、もちろん何の書類を引き渡すかは物件の種別・契約内容によります。

    売買契約の条件で、例えば「境界確定をして決済時に境界確定協議書を一緒に引き渡す」となっていれば境界確定協議書を引き渡さなければ契約違反ということになりますが、

    逆に言えば、契約時に約款や物件状況報告書、付帯設備表に取り決めがないものは引き渡す義務はないということになります。

     
    ただし、売る以上は今後持っていても仕方がないものがほぼほぼ全てです。

    なるべく書類を整えて、気持ちよく引き渡した方が買い手の心象が良く、購入後のクレーム等を防止できるかもしれません。

     
     
    なお、古屋付きの土地を売却して、買い手が古屋を解体して滅失登記する場合、買い手に建物の登記名義を一旦移すと登録免許税、不動産取得税が掛かるので、登記名義は移さないで解体&滅失登記することがよくあります。

    その場合の滅失登記の申請は売主の名前でなければならないので、後日もしくは決済時に関係書類への署名捺印を求められます。

    物件にまつわる各種契約の変更手続き

    公共料金等の変更手続き

    買い手が物件引渡し日に自分の名義に変更手続きしてくれれば売主から廃止手続きしなくてもよかったりしますが、買い手が変更手続き忘れていて、料金が売主の口座から引き落とされたのでは面倒なことになるので、売主からもしっかりやっておくべきでしょう。

    ただし、注意点としては、

  • すでに空家になっていて使わないからといって電気契約を廃止してブレーカーを落とすと、冬季に給湯器が凍結して破損することがあります。
  • プロパンガスの場合、給湯器といった設備がガス会社の供給品だったりします。年数が経たないうちに解約すると残価で買取らなければならないことがあります。
  • 売主が公共料金を滞納していると、完済するまで買い手が利用できないことがあります。
  •  
    公共料金は手続きを忘れることはあまりないのですが、年に一回しか入ってこないような電力会社や電話会社の電柱の敷地利用料といったものは忘れがち(不動産会社も忘れがち)なので注意しましょう。

    それ以外では、郵便の転送や、水道の所有者変更、アパート等の場合の所有者変更通知等があります。

    諸契約、関係業者の引継ぎ

    例えば、

  • 年に何回か造園業者に手入れしてもらっている
  • 定期的にエレベーターのメンテナンスや受水槽の水質検査を依頼している業者がいる
  • 敷地内に自動販売機があり、ベンダー契約をしている
  •  
    このような物件に関し売主が行っていた契約をどうするかは買い手の自由ですが、これまで継続的に関わっていた業者であれば今後の運営がスムーズになり、買い手が引継ぎを希望するケースが多くあります。

    売主としては契約を切る場合、事前に解約通知を出したりしないとならないので、買い手とは早めに協議して契約継続するか、切るかを決めていきましょう。

    建物の火災保険

    未経過分の保険料がある場合は解約するといくらか返金されます。今は最長でも10年しか掛けられませんが、かつては35年とか一括で支払っていることが多かったので、思わぬ収入で嬉しくなります。

    忘れやすい上に大した金額じゃないからと放置されがちな項目です。すでに引越等をしているのに掛けっぱなしになっている保険料は日本全体ではものすごい金額になっているでしょう。

     
     
    これらの手続きは忘れると決済不能になるというほどシリアスなものではありませんが、事後の手続きや金銭の精算は面倒なので早めに漏れなく手続きをしましょう。

    不動産会社に手続きをまるっとお願いする場合でも、不動産会社ですら忘れたり、そもそも、その契約・手続きがあること自体を気付かなかったりします。

    やはり売主が当事者意識を持って臨むべきなのです。

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    shiro-shita

    仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

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