老朽化するほど管理がずさんになりがちなアパート&貸家 できれば古いほど管理を徹底すべき
前回、不適正状態に陥っている不動産として共有状態の不動産を挙げましたが、
<前回の記事>
それ以外では古アパート&古貸家があります。
古アパート&古貸家を不適正なまま放置するとどうなるか?
もちろんすべての古アパート&貸家が不適正という訳ではなく下記のような状態のものです。
- 賃貸借契約書を紛失もしくは、もともとない(口約束で貸した)
- 室内をどんな状態で賃借人に引渡したか分からない
- 入居者や連帯保証人の連絡先がわからない
- 連帯保証人はすでに世を去っている
- 賃料が安いからと不具合を放置している
- 抜本的なリニューアルをせずに騙しだましやってきて内外装すべてが完全に時代遅れ
仮にこんな状態で所有者が亡くなり相続が発生すると、相続を受けた者はこれからどう運営していけばいいのか困ります。
オーナーが変わったと挨拶がてら訪問すると、室内や入居者の凄惨な状況を目の当たりにするとともに、これまでの大家だと話にならないと我慢していた要望が噴き出したりします。
それに、こんな状態でももちろん相続財産として相続税課税の対象となります。しかも、空室が多いと満室のものより相続税評価が高くなることがあります。
貸家(建物)の相続税評価 = 建物の固定資産税評価額 × (1-借家権割合30%×賃貸割合)
賃貸割合が低い、つまり空室が多いと相続税評価が上がるのです。
そんなんだったら相続発生前に取り壊してしまおうと思っても、入居者を出すのはむしろ大変です。
入居者は高齢、低所得であることが多く、他の賃貸物件の家賃は払えない以前にそもそも入居を断られます。
何とか次の受け入れ先があっても次の住まいの初期費用や引越代、補償金を負担しなければならないでしょう。一人あたりトータルで100万とかありえます。
老朽化するほど管理を徹底!
このようにならないために、老朽化しても物件の価値を維持し、賃料、入居者の質を落とさないようすべきです。
不具合の都度修理を行い、10数年に一度は大規模修繕を行い物件の価値を維持すれば、大家と入居者の良い緊張関係、パワーバランスが保たれるでしょう。
しかし、残念ながら価値が維持できなかったり、すでに問題が起こりつつある物件の場合は、適正化のため治療、つまり不動産コンサルティングが必要です。
どういったことをするかと言うと、例えば
- 空室が多いからとグダグダのまま運営はしないで、今後のアパートの運営方針を決める
- 運営を続けるなら必要な修理、現在の契約者との契約内容の適正化を図る
- いずれは幕引きするなら入居者と協議しながら定期借家契約や解約にしていく
老朽化するとどうしても管理運営がグダグダになりがちですが、それが不適切状態を加速させます。
築年数が経過した物件ほどむしろ管理を徹底すべきです。
shiro-shita
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