一見すると安い投資用不動産あるある

不動産知識・テクニック

一見すると安い投資用不動産あるある

安い投資用不動産には安いなりの理由がある

投資用不動産を探して検索サイトを見ていると目が行くのは激安物件です。

激安なので表面利回りも高くなります。

 
ただし、その物件を詳しく調べてみると、総合的に考えて価格相応、もしくはそれでも高いくらいってことが多いです。

どんな理由でそうなるのでしょう。

 
低額の投資用不動産あるあるをまとめてみました。

一見すると安い投資用不動産あるある① 事故物件

放火、自殺、腐乱孤独死体、殺人事件がありましたって物件です。

衝撃度高いです。

 
とはいえ、事故物件だからって全く貸せない売れない訳ではありません。

相場より安くすれば借りる人や買う人がでてきます。

不動産投資家を自称する人であれば、事故物件だからといって一発見送りにせず、弱含みの賃料&出口売却価格で検討してみてはいかがでしょうか。

競合する投資家が減るので購入交渉も有利です。

一見すると安い投資用不動産あるある② もれなく大規模修繕が必要

屋根、外壁、給排水管、基礎に土台、共用廊下、擁壁、さらには室内設備などが限界を超えてるって物件です。

大規模修繕費用は数百万から物件規模によっては何千万、何億になることがあります。

今の所有者はその負担をしたくないから売るのです。

 
その大規模修繕費用を考えると激安物件もトータルとしては安くないというのがよくあるパターンですが、

    大規模修繕費用の見積をもとに価格交渉、
    大規模修繕の効率的でリーゾナブルな方法を模索、
    ただ修繕するのではなくコンバージョン等でもっと賃料を取れる方法を検討、

 
そうやってなるべく物件化する努力を行うことで不動産投資家としての抽斗が増えるので練習と思い検討してみるのもいいのかもしれません。

一見すると安い投資用不動産あるある 土地の価値がない③

例えば、宅地が玉石擁壁に囲まれていると現行基準だと擁壁を作り替えないと再建築できなかったりして、その費用が一千万円を超える、対して地価相場がそれを下回る、そういった場合、その土地はマイナス資産になります。

その土地にアパートが建っている場合、建物に問題がないうちはいいですが、出口戦略として更地売却を考えるとそこで含み損を精算しなければなりません。

木造のアパートだと耐用年数が22年とかなので、中古で購入して利益を出すには、保有期間中の賃料収入と最終的な更地売却益の両方が必要なことが多く、こういった物件はトータルで利益が出にくくなります。

 
ただし、あくまでも将来のことなので、強気で購入すれば案外何とかなることもあります。

低額投資用不動産あるある④ 流動性が著しく低い

そもそも不動産である以上は現金や投資信託なんかにくらべると流動性は低いですが、立地が調整区域、郡部や山間部となると著しく流動性が劣ります。

土地の取引がほぼほぼ皆無の地域は日本全国にたくさんあります。そんな地域だとしっかり道路付されライフラインも完備されているような土地でも売却の見通しは立ちません。タダでも売れないかもしれません。

③の場合、現況では土地の価値がないものの擁壁を再築する費用を払えば相場で売却できるのに対し、こちらは土地の価値はあるもののマーケットがないのです。

こういった物件は出口戦略が取れません。

永久に維持管理して固定資産税を払い続けなければならないかもしれません。

 
 
とはいえ、不動産である以上は流動性リスクは付いて回り、流動性リスクがほとんどないような都会だと地価が高い分、物件価格が高く、利回りが低いので、多少の流動性リスクを取ってでも安価で利回りが高い物件を探している投資家は相当数います。

流動性リスクのギリギリを突いていけると一番リターンが上がるのです。

都会と田舎では地価が100倍以上差があったりしますが、賃料はそこまで差がありません。いって10倍、3倍未満が大半でしょう。

たゆまぬ研究と工夫により田舎物件の出口戦略を見いだせば不動産投資の勝者となりえるのです。

まとめ

不動産投資は事業であり、投資用不動産を売りに出している人は現在事業中の人です。そのような事業者が持ってけ泥棒的に買い手に有利な条件を提示することはないと考えるべきで、一見すると安い物件には相応の理由があるのです。

オイシイ話があると思ったらやっぱりダメじゃんとなる訳ですが、言わずもがな不動産投資はそんな甘いものではありません。

各人の工夫と努力によってその壁を超えてこそ果実を享受できるのです。

The following two tabs change content below.

shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

地元企業にすら満足に勤められない人はどうなるのか!?地元企業にすら満足に勤められない人はどうなるのか!?前のページ

負動産問題に手を付けても途中で頓挫するのは何故!?次のページ負動産問題は挫折する!?

ピックアップ記事

  1. 不動産向け融資が凍結されている今、「しょっぱい不動産投資」で糊口を凌ぐ

  2. これを読むと不動産業界では働きたくなくなる!? 不動産会社での雇用・労働の実態と…

  3. HSPでサラリーマン向かないから仕方なく起業した話

  4. アパート1棟買っちゃいました ~個人的不動産投資談①~

  5. 祖父の愛したゴミと不動産①

関連記事

  1. 「事故物件リスク」という モンスターを制御する方法①

    不動産知識・テクニック

    ”事故物件リスク”というモンスターを制御する方法①

    事故物件リスクは対処不能・制御不能のモンスターとなりつつある心理的…

  2. 本気で負動産問題を解決しようと思ったら

    不動産知識・テクニック

    本気で負動産問題を解決しようと思ったら

    負動産問題解決の鍵は考え方、やり方、エージェントを変えること負動産…

  3. 不動産知識・テクニック

    【解説】負動産の処分プロセス

    負動産は処分が鉄則前回まで不動産の活用プロセスおよび、方向性を売却…

  4. 賃貸物件に高齢者を受け入れるにはどうする?
  5. 刑務所出所者への賃貸住宅を前向きに考えるためには①

    不動産知識・テクニック

    刑務所出所者への賃貸住宅を前向きに考えるためには①

    出所者の住まい確保は社会的意義が大きいのですが数ヶ月前のことですが…

  6. 不動産売却のチェックポイント動産の扱いについて

    不動産知識・テクニック

    不動産売却のチェックポイント4 室内外の動産ってやっぱりゴミなの!? ​

    引き続き不動産売却のチェックポイントについて記載します。<第1…

  1. 住まいプランハック番外編 【実家住まいのすすめ】

    不動産知識・テクニック

    住まいプランハック番外編 【実家住まいのすすめ】
  2. それなら不動産営業はどうすべきか!?②

    業界動向

    それなら不動産営業はどうすべきか!?②
  3. 刑務所出所者への賃貸住宅を前向きに考えるためには②

    不動産知識・テクニック

    刑務所出所者の賃貸を前向きに考えるためには②
  4. リフォーム済物件に一目惚れしてフルローン組んだが大丈夫か!?

    不動産知識・テクニック

    リフォーム済物件に一目惚れしてフルローン組んだが大丈夫か!?
  5. 「事故物件リスク」という モンスターを制御する方法②

    不動産知識・テクニック

    事故物件リスクというモンスターを制御する方法②
PAGE TOP