今後、大部分の不動産は価値下落!?
これからの日本の不動産市場は三極化すると著名な不動産コンサルタントの長嶋修さんが言っています。
上位は現在の価値を維持もしくは上昇しますが、上位に含まれるのは東京をはじめとする主要都市の中心部の駅から徒歩7分以内のエリアで、たかだか15%とのことです。
70%を占める中位は緩やかに下落、
下位の15%は限りなく無価値となります。
東北では仙台ですら上位地域がないかもしれません。あっても極僅かの中心部です。
大部分は中位以下となりますが、固定資産税といった保有コストが下がることは考えにくいです。
【注釈:2023年11月時点では、長嶋氏の考えの通りになったとは言い難いです。ただし、インフレが進行する中で、地価上昇率がインフレ率を下回る場合は実質的な地価下落と言えます】
そうなると、これまでは不動産を売却する際に理由を求められたのですが、今後は不動産を保有するにも理由があって然るべきでしょう。
不動産を保有する理由としては下記のようなものが考えられます。
1.保有している方がメリットがある
不動産を自宅として使用しているとか、他人に貸して賃料収入があれば、それはもちろん保有によるメリットです。
ただ、できれば、自宅であっても、他人に貸した場合の賃料と、替わりの住まいを借りた場合の家賃を比較して、住まいとして本当に合理的なのか再点検することをおすすめします。
仮に親から譲り受けて原価がゼロだとしても、仮に売却した場合に得られる金額をもとに、保有するのと、その資金をもとに別の投資をするのとどちらが合理的か判断すべきです。
また、相続発生までは相続税評価が低い不動産にしておくというのも保有のメリットといえます。
2.売ることができない
売却しても不動産に設定されている抵当権を抹消できないとか、共有者間で考えがまとまらない、もしくは売りたいものの市場性がなさ過ぎて売れないという場合です。
確かに売却は不能ですが、いずれも危険な状態なので、保有の理由とは別の問題として対処が必要です。
3.将来活用する可能性がある
今は利用していないが将来子どもが帰って来た際に利用するといった場合です。
不動産は一旦売ると基本的に買い戻すことはできないので、確かに保有しておきたいところです。
ただし、子どもが本当に帰ってくるのか、その際の代替手段の有無、保有にかかるコスト等から合理性を再点検することをおすすめします
4.売ると損失が確定する
高い価格で購入しているので売ると損が確定するため売りたくないというのは感情的にはわかります。
ただし、今後もさらに下がるのであれば、保有コストも含めて損失はさらに拡大することになります。
不動産価値の下落は死活問題
”一所懸命”という言葉があるように、人間は古来より不動産に価値を見出し、その価値観は今に引き継がれています。
長い歴史によって形成されてきたので、その価値観が一朝一夕に消えてなくなることはないとは思いますが、
大方の見方として、相対的に価値が下がると目されている不動産があることも確かです。
特に日本の凋落傾向が鮮明になり、今後は各々が必死に生活防衛を強いられる時代となるので、所有不動産の価値の低下は単に損したでは済まされない死活問題となりえます。
自分の身を守るうえでも所有不動産の価値についてより敏感になっていただければと思います。
shiro-shita
最新記事 by shiro-shita (全て見る)
- 【解説】アパート・マンション管理業者の選び方 - 2024年12月10日
- 自分らしい人生を取り戻す方法 - 2024年12月2日
- 無意識に溜まる感情や記憶の在庫を一掃する方法 - 2024年11月22日