人手不足で悩む地元小企業だが、こんなんだったら人を雇う以前の問題
こんな地元小企業には勤務すべきではない!?
前回の記事で一部の地元小企業で勤務する側にとってはなかなかひどい状況になっているところがあると言いましたが、どのような地元小企業でしょうか。
メリットというよりデメリットになっている
地元小企業のメリットを、意思決定が早く、主体的に業務を行うことができ、自分への期待が大きいと申し上げましたが、
それを逆にいうと、
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社内基準はすべて社長にある
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社内の何から何までやらなければならない
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社内の自分への眼差しが熱すぎる
ということになります。
仕事をしているとうまくいかない時期もあるのですが、そんな時期に、社長の気まぐれに振り回されて、散々仕事を押し付けられた挙句に、さらにムチを打たれたならば逃げ場のない絶望に陥ります。
大企業ならトイレや休憩スペースに行って気分転換を図ることもできますが、地元小企業ではトイレすら男女兼用で室内にあって、小用を足す際の便器の跳ね返り音が社内全員にダダ漏れだったりします。
何の強みもえられない
地元小企業では会社の何から何までやれるのが醍醐味ではありますが、
そもそもその会社に身に付けることで自分の価値が上がるようなノウハウがなかったりします。
地元小企業なのでその業界のトップリーダーであることはありません。以下の4パターンのいずれかである訳です。
①ニッチに徹している
②地元の利権を握っている
③大手にシェアを奪われつつあり防戦一方
④単なる零細企業
強みとなるノウハウを獲得できるのは①だけです。
③と④はこれからわざわざ勤めるべきではないのは明白ですが、②もこれから勤めるのはオススメしません。経営家出身ではない新人が活躍できるフィールドはありません。
自分にやる気とノウハウがあって、その企業を利用したいんだというくらいであればいいのかもしれませんが、それなら起業することをオススメします。
従業員のコスパを追求する
地元小企業では採用活動に時間もお金も割けませんし、入社後の教育投資も大企業のように充実していません。
それで、待遇がいい訳でもなく、得られるスキルもなかったら誰もそんな企業に入りたいと思わないでしょう。
それなのに、そういった企業の社長が身の程知らずにも即戦力を求めていることがあります。
その人を雇うとなんぼ儲かるんだと、給与の投資に対して、売上リターンはどれくらいかが採用基準です。
(従業員にプレッシャーを掛けるための方便で言うだけではなく本気にそう思っている)
そうでないと企業が成り立たないのでしょうが、その企業は社長の考えが時代遅れで、さらに拝金主義で人望もないということになります。
実際にそういう根拠のない自己中心的な考えをする社長は多いです。
そのくらい勘違いじゃないと起業なんてできないのかもしれません。
従業員は使用人
地元小企業のほとんどは家族経営で、地元小企業に勤めると社長一家との接点が多くあります。
経営者とか社長というのは立場や役割であり、偉いとかすごいとかいったものではなく、もちろん身分でもありません。
それでも、貴族とその使用人みたいな雰囲気になりがちであり、実際の業務とは無関係な社長(とその家族)の姿を見て、それを許容しなければなりません。
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節税のためとはいえ高級外車に乗ったり、
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勤務時間中に家族イベントを行ったり、
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会社経費を家族の生活費に充てたり、
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新たに購入したブランド品をこれ見よがしに身に着けてきたり、
社長が稼いだ金をどう使おうが自由ではありますが、そんな様子を見てモチベーションが上がる従業員はいません。
会社経営をしていてもリスクやコストに対して思ったほどリターンが得られず、自分を犠牲にして従業員に給与を払っている経営者も結構いますが、
従業員はそんな社長の思いをほとんど知ることなく、自分は搾取されていると思っているものです。
社長とその家族が空気を読めず、従業員との温度差が大きい企業だと、従業員としては業務に集中しにくく、あらゆる面でストレスを感じることになります。
なぜか多い勘違い地元小企業
こんな地元小企業はダメ!というより、会社の規模問わずにこんな会社はダメってことになってしまいました。
日本の企業の8割がオーナー企業で、上場企業ですら半分が親族経営と言われているので、よっぽどのパブリックカンパニーでもなければ上記のことは起こり得ます。
そう考えると、大きい会社と小さい会社に勤めるのの確実な差は“薄まり具合”だけかもしれません。
大企業だと社長の人望や熱意、もしくは勘違いや異常性が良くも悪くも薄まります。
そういう意味でも特に高いモチベーションなく無難に働きたい人にとっては地元小企業はリスキーな選択でしょう。
そして、上記のような企業でしかも社長をダイレクトに感じられるような小企業だと日々の業務がストレスフルであることを覚悟しなければなりません。
私はある不動産会社の社長がこんな風にボヤいているのを聞いたことがあります。
「あいつを雇って100万損した」
その会社では雇った人が2ヶ月で辞め、その間、1円の売上を上げることなく、会社としては給与と会社負担の社会保険、教育コスト等が無駄になったのです。
ただし、その会社は不動産業界未経験だったその人に、過去に問い合わせがあったものの決まらなかった顧客リストにひたすら電話営業を掛けさせたのです。不動産知識の座学なし、電話営業のロープレなし、上司は営業で外に出ててほとんど放置です。しかも、その会社では新人に電話営業させるのが習わしという訳ではなく、過去リストのテレアポは社長の思い付きです。
対して辞めたその人はこう思っているはずです。
「ものすごく嫌な思いをした上に履歴書の経歴を汚してしまった」
その会社は人を雇うレベルに達していないのです。
その待遇、その会社のシステムでは奇跡が起きない限りフィットする人材は来ません。
待遇を上げたり、会社の教育体制を整える余裕がないのであれば、それはその会社のビジネスモデルが通用していないということです。
世の中では人手不足と言われていますが、本当は人はいるのです。ただ、その待遇ではやる人がいないだけです。つまり、そのビジネスモデルは労働力のコストアップに対応できていないのです。
それなら、その時代に合わせてスケールダウンするか、今は歯を食いしばって社長自らがもっと仕事をして機を伺うべきです。
社長が奇跡を信じて募集・採用して人を巻き込むとそこに不幸が生じます。
試験的に新しいサービスを導入してみて、費用対効果が合わずに解約するというのとは違って、相手は人で、心を持っています。
そんな不毛な労使関係が繰り返され、従業員、そして企業がすり減っていくことがないのが理想ではありますが、現実的にはそれを耐えるのが仕事みたいになっている部分があります。非合理の極みですね。
shiro-shita
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