引き続き不動産売却のチェックポイントについて記載します。
<第1回>権利証・登記識別情報通知
<第2回>抵当権等の不動産に設定された権利
<第3回>完璧な隣地との境界の状態とは!?
<第4回>室内外の動産ってやっぱりゴミなの!?
<第5回>修繕履歴を残しインスペクションするのが最近の不動産売買の流れ!?
<第6回>販売は住みながら? 空家にしてから?
リフォーム・ホームステージングでの販売はあくまでも費用対効果で考える
売却時における不動産の引渡しの状態の基本は「現況渡し」
つまり何もしないでそのままですが、
近年は例え売主が一般個人であっても、不動産をしっかりとした商品として売る傾向が高まっており、不動産を自分が使用したままそのままではなく、リフォーム等をして販売するケースが増えています。
リフォームしての販売
不動産を売却するには様々な理由があり、中にはこの家はすごく気に入っていたけど泣く泣く手放さなければならないということもありますが、
今の家が不満だから売却というケースも多く、むしろ今の家は100点満点で何の不満もないということは稀です。
「この家のここがこうだったら良かったのに…」
「この家のあそこが不満だった…」
それらは不動産を売却するときには、その物件のウィークポイントとなります。
ただし、そのウィークポイントをリフォームでカバーできれば販売における障壁を取り除くことができるかもしれません。
また、これまで長年に渡って使用してきた住居は住んでいる人が思う以上にリアルな生活感があるものです。
人様のお宅に上がったときにその家特有の匂いがあるように、自分の家も他人にはアウェーなのです。
購入を検討して内見に来た人が居心地の悪くなる物件では販売に差し障ります。
リフォームをすることで、その生活感が消え、新鮮かつ居心地が良くなり、立地や価格といった条件が希望と違っても欲しくなる物件にすることができるかもしれません。
というのが不動産売却においてリフォームを行うメリットですが、当然ですが、費用対効果で考えなければなりません。
売却が確定する前にリフォーム費用を払うので、それらのコスト、リスクに見合うリターンが得られなければ無駄というより損害となります。
加えて、事前に引越して空室にしなければリフォームできませんし、リフォーム内容や業者の選定にも労力が掛かります。
さらに、リフォームにはデメリットがあります。
良かれと思ってやっても、選んだ柄や変更した間取りがかえって買い手のニーズに合わなくなることもあります。
買い手の中には購入後に自分でリフォームするので余計なことしないでほしいという人もいます。
知り合いが不動産売却にあたりリフォームをして買った価格よりも高く売ったみたいな話が聞こえてきても、リフォーム売却で差益を出すのはそう簡単ではありません。
特にここ数年、不動産のリフォームは多種多様でハイセンスになってきています。
よっぽどセンス、知識、リフォーム業者とのネットワークに自信がある場合を除いては手をつけない方が無難かもしれません。
ホームステージング
近年増えつつあるのがホームステージングです。
ホームステージングとは、
家具や小物でインテリアコーディネートを加え、モデルルームのように購入検討者により良い印象を与え、売却を円滑に促すためのサービスです。
(株式会社ホームステージング・ジャパンより引用)
例えて言えば、リフォームが整形で、ホームステージングが化粧です。
物件の生活感を消し、購入後の具体的生活のイメージをさせ、買い手の五感に訴えるにはリフォームよりホームステージングの方が直接的です。
費用はサービス内容等によって各社違いますが、売却仲介の依頼を受けるために条件を満たせば無料で提供している会社もあり、
家具や小物を置くだけなので、リフォームのように顧客層を狭めることはなく、マイナスとなることはありません。
ただし、あくまでも化粧なので物件自体の価値を上げる訳ではありません。そこがリフォームとの大きな違いです。
また、サービスに期間があったりするので、販売が長期になるとサービスが打ち切られたり、追加料金が発生することがあります。
さらに、地方や遠方地はサービス提供がなかったりします。あっても都心とでは不動産価格が大きく違うので、都心で5000万円の物件と地方の2000万円の物件では、ホームステージングの費用は同じでも、効果は都心の方が断然有利です。
現在のところはほぼほぼ大都会にある高付加価値物件向けのサービスと言えます。
コスパで有利な小技ステージング
リフォームやプロによるホームステージングは大掛かりですが、そこまでしなくても見栄えをよくする小技があります。
中でも私が個人的におすすめしたいのは下記3点です。
ハウスクリーニング
引越して動産を撤去しただけだとどうしても生活感が抜けません。
生活臭が残り、靴下のまま床に上がるのが躊躇われ、トイレや浴室は恐る恐る見る感じで、不幸な理由で引越したような雰囲気すら醸します。
それを消すにはハウスクリーニングが手っ取り早いです。
確かにハウスクリーニング程度ではどうしようもないくらい古さが際立つ物件もありますし、買い手が購入後にリフォームをするなら仕上げにハウスクリーニングをするので二度手間になりますが、
ハウスクリーニングの費用は1000円/㎡程度なので、高額ってほどではなく、ケースバイケースとはいえ、最もコスパのいいバリューアップでしょう。
玄関を明るく
購入検討者が物件を見学するときに最も大切なのは第一印象です。
玄関に入ったときの印象は特に重要ですが、とりわけマンションの場合は玄関が北向きのことが多く、
入った瞬間に「暗っ!」となります。
それで電灯を点けると今にも球切れしそうに点滅状態では意気消沈です。
せめて玄関からそれに続く廊下の照明をLEDに替えて、光度と点灯スピードをアップさせておくといいでしょう。
また、床の色は薄い色の方が明るく広く見えます。
マンションの場合は床材はビニール製で簡単に交換ができ、面積も小さいので費用も掛かりません。
照明と一緒に交換がオススメです。
IKEAの小物
プロのインテリアコーディネーターによるホームステージングまでするのはなかなか敷居が高いですが、
IKEAの小物を自分で置いてみるだけでも空間が柔らかくなることがあります(特にIKEAに限定する訳ではなく、手頃な価格の気の利いたものってことです)。
できあいのアートフレームを壁に数枚立て掛けるだけなら物件を選ばず、設置も置くだけ簡単です。
雰囲気が柔らかくなった部屋でほっこりゆったりしてもらえれば購入確率も上がるかもです。
shiro-shita
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