こんなアラフォーはアウト

城下個人的

不運のアラフォー世代は自分の老後のためにまだまだ活躍しないといけない それなのにこんなアラフォーはアウト ​

アラフォーで過去の人

先日、アラフォーは被害者だけど救済されない世代なので何とか自分でサバイバルしていかなくてはならないと言いました。
<過去の記事 >私を含めたアラフォー世代は被害者と認定される ただ、過酷な状況はエンドレスに続く模様

で、私に何か過酷な状況脱出のアイデアがあるかと言われると、

ノーです。

 
ただし、アイデアはなくても少なくともこれじゃダメっていうのくらいはわかります。

それは、アラフォーですでに「過去の人」になってしまうことです。

 
アラフォーで過去の人は、これまで辛酸舐め続け一度も浮かばれないという人より、むしろ中途半端に成功体験がある人の方が陥りやすいようです。

アラフォー世代の就職は“踏み絵”だった!?

日本には古来より就職にまつわる価値観というか風習があります。

弟子入りとか滅私奉公とか徒弟制度とか言われ、奉公する側には発言権も人権もほとんどありませんが、一定期間仕え経験と技能とマインドが一定以上になると、晴れて同胞と認められるみたいな。

今でも残るのはごく一部でしょうが、私の世代が社会に出た2000年代初頭はまだまだ一般企業にもあり、就職は言わば「踏み絵」のようなものでした。己を捨て、組織の価値観と一体にならなければなりません。

 
就職活動では髪を短く切って黒く染め直し、青山のスーツを着て、笑顔を浮かべながら面接試験官の期待する返答をして、入社後は従順な後輩キャラを演じる。

 
いつの時代も若者はとんがっているものですが、私の世代は特にそうで、虫酸が走るとはまさにこのことでした。

 

就職は、安定した収入と家族と住宅(もちろん住宅ローンですが)を得る為に、己を捨て、大人社会に絡めとられて生きるということであり、

一旦就職すると、最初は嫌々でも、いずれは”そっち”側の人間となり、若者メンタリティで踏ん張っている同級生に説教垂れたり、後輩に自分と同じ試練を与えたりするのです。

一転、今の若者はキラキラorホワイト志向

ただし、今は就職したところで必ずしも安定した生活が約束されない時代です。

会社は同胞として受け入れ面倒を見るほどの余裕がないので、その分、個人への干渉も薄まっています。

 
若者の就職観も変化し、

今一番イケているのは、若者のメンタリティのままスタートアップITや外資系コンサルといった完全能力主義の会社に入り、常に成長してライバルに勝利し続け、起業独立、果てはIPOすることです。

 
そんな若者からすると、私の世代はダサくて頭が固くて日本をガラパゴス化させている老害です。

 
そこまでキラッキラではない若者の大半は、残業がなく休日がしっかり取れ、難易度も責任も低い仕事をたんたんとこなすホワイト企業(や役所)志望で、そんな彼らにとっては、私の世代はブラック労働を強要し、パーソナルスペースをぶち壊そうとするパワハラ上司です。

成功体験を捨て去る

今の若者の価値観が正しいとは限りませんが、それは世の中の潮流であり、特にビジネスにおいて今後、彼らの人口比率が高まってきます。

そうなると彼らの価値観を理解し、それに前提に物事を考える必要があります。

それができず、これまでの組織や自分の価値観に固執するのは紛れもなく過去の人です。
 

アラフォーはこれまで苦労したと思います。

でも、その苦労は己を捨てて踏み絵したのがただ嫌だったということではないでしょうか。

嫌なことを我慢するのは努力に他なりませんが、その努力は当時ですら本質的とは言えず、今となってはその経験は無価値どころかマイナスかもしれません。
 

昔だったら四十歳にもなれば、もうしゃかりきにやらなくてもいい年齢でしたが、今はそうではありません。

とはいえ、現実的には多くのアラフォーはこれまでの価値観を変えられないでしょう。

そして、このままいけば多くのアラフォーは老後困窮することになり、価値観を変えられないアラフォーと老後困窮するアラフォーは大部分オーバーラップすることでしょう。

 
アラフォーは就職のときに”己”を踏絵することを求められましたが、今度は”成功体験”を踏絵できるか試されているのです。

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shiro-shita

仙台在住の”不動産コンサルタント” 就職超氷河期世代かつリーマンショックの直撃を受けたりと時代に翻弄され不動産会社を転々。苦く、しょっぱい経験に裏打ちされた不動産スキルはある意味ではリアルそのもの。

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